人を雇うということは、売上がなくても毎月一定の人件費・交通費・福利厚生費などの費用が発生するということです。起業時は1人でも、やがて事業が成長軌道に乗ってきたら、人を採用する段階がきます。また、業種・業態によっては起業時から人を雇わなければいけないものもあります。人の採用・育成はどう進めていけばよいのでしょうか。
人を雇う時には、まず調整が可能なパート・アルバイト・派遣社員・契約社員といった形態を検討します。正社員の採用はその後です。次に、どのような人に来て欲しいのか、どのような待遇ができるのかなどを明確にします。事業内容によっては、「明るい人」「世話好きな人」など本人の性格・特徴に対する条件が出てくる場合もありますので、よく検討しましょう。 【求人時の検討項目】 @ 給与・時給はどの程度払えるのか A 居住地はどの辺りか(交通費支払のため) B 勤務時間・休日 C 具体的な仕事の内容 D 必要とする資格はあるか E 必要とするスキルはあるか
募集の方法
求人には主に次の方法があります。 最近では、求人情報はインターネットで探すのが常識になってきています。特に若年層においてその傾向が顕著です。費用だけでなく雇いたい人が見てくれる媒体を使うことを心がけましょう。 【求人活動の手段】 @人材紹介サービスの利用 有料 有料 A求人広告(新聞・チラシ・求人雑誌・インターネット・携帯電話) Bハローワーク 無料 C自社ホームページ・店頭で求人告知 無料 D各種学校にて求人告知 E人づての紹介 面接時には、言葉づかいや話の受け答えの態度から、協調性・誠実さは相手の外見・内面の両方を見るようにします。
面接時には、言葉づかいや話の受け答えの態度から、協調性・誠実さは相手の外見・内面の両方を見るようにします。
人の育て方
事業は人と共に成長していくものです。より良い仕事をしてもらえるように育成するには、次のことが重要になります。 【人材育成のポイント】 @ 仕事の内容・手順などを文章化する・マニュアルを作成するなどして、求めるレベルを具体化する A 教育の目標(いつまでに何ができるようになる)を立てる B 時々仕事に対する理解度・習熟度・達成度をチェックする C 働く意欲を刺激する 特にサービス業は、人によって品質のばらつきが出やすい業種です。 @は品質の標準化に役立ち、顧客満足獲得にも効果的です。 Aは人材のレベルに応じた目標を示し、チャレンジさせることで能力・スキルの向上を図ります。目標設定は一緒に考えるとより効果的です。 Bは時々話し合うことで、どの程度理解し、仕事を身に付けたかを確認し、足りない知識・技術があればどう補うかを考えます。 Cは、具体的には、成果に対する十分な評価、成果と共にプロセス・意欲・勤務態度なども評価、権限を与える、会社・事業をつくりあげていくことの楽しさ、やりがいについて語り合う、ビジネス上での夢・希望について語る等が該当します。人には必ず働く「モチベーション(動機)」というものがあり、このモチベーション(動機)を刺激された時、「もっとがんばって働こう、いい仕事をしよう」という意欲がわいてきます。
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