はじめに

1. 起業のための基礎知識
〜これから起業を考える人に〜   
(1) 起業のためのチェックポイント
(2) 事業のアイデアの探し方
(3) 事業の形態
(4) 起業のための準備
(5) 起業・創業にかかる資金


2. 事業計画書をつくる 
(1) 事業計画書のつくり方
 @ 事業計画書とは
 A 販売計画
 B 売上予測
 C 仕入計画
 D 資金計画
 E 事業計画書の記入例
(2) 事業計画のプレゼンテーション


3. 事業を継続・発展させる 
(1) 顧客のつくり方
 @ 固定客をつくる
 A 新規顧客をつくる
(2) 商品・サービスの開発
(3) 人の採用・育成
(4) IT技術の活用
(5) 法律の知識・対策
(6) 税金・会計に関する知識
(7) 新規創業者・中小企業のための各種支援策


4. プロ・先輩達の話を聞く
(1) 企業支援のプロフェッショナルからのアドバイス
(2) 起業体験談 

 

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3.事業を継続・発展させる
(1)顧客のつくり方
 @固定客をつくる
どんなに優れた商品・サービスを持っていても、顧客に受け入れられなければ意味がありません。更に、一度買ってくれた顧客に「また買いたい」と思ってもらえるものでなければ、事業は継続できません。顧客から評価され、信頼される存在になるにはどうすれば良いのでしょうか。

 商品価値を決めるのは顧客 
【顧客が感じる価値】

 売り手が、「これは安い」「本当に良い商品だ」と考えていても、顧客がどう感じるかによってその価値は変わります。
人はモノを買う時に、その商品・サービス・企業に対して何らかの価値をイメージします。そして、それを買うことで得られる価値とコストを比べて、メリットがある、と判断した時に「買う」のです。そこには、「期待」があります。そしてモノを買った後、人は必ず良い買い物だったかどうか、「期待」に応えてくれたかどうか評価をします。期待を裏切られたと感じた時、顧客はがっかりする、怒る、或いはショックを受け、その企業から離れていきます。しかし、期待以上だと感じた時には満足し、また次もここに来よう、と思うのです。固定客をつくるには、常に顧客の期待に応える必要があるのです。

【顧客の期待感】

 顧客の期待に応えるためにはどうするのか?

 では、顧客の期待に応えるにはどうすればいいのでしょうか?
 ここでは、次の3つのポイントについて説明します。

【顧客の期待に応える】

 ● 顧客の期待に沿った商品・サービス
 ● ターゲットをしぼる
 ● 顧客と良好な関係をつくる



 顧客の期待に沿った商品・サービス

 顧客は商品・サービスの何に期待をして買ってくれるのでしょうか?品質?機能・性能?価格?或いは購入後の変化でしょうか?
このような項目を全てチェックして、常に期待に応えるモノを提供していかねばなりません。「いいモノをつくった、完璧だ。」と自己満足をして終わるのではなく、競合と比べてどうか、使う側から見てどうか、という視点を持ちましょう。またライフスタイルや価値観が多様化しているので、いつ・どんな時に・どのようなシチュエーションで、それを欲しいと思うのかも知っておく必要があります。

 ターゲットをしぼる

 ヒト・モノ・カネといった経営資源に制限がある場合、幅広い顧客に満足感を与えることは至難の技です。対象範囲が広いとそれだけ多くのニーズ・期待感を相手にすることになり、お金も時間も人材もかかります。何より怖いのは「不満足」に感じる人が出てきて、悪い評判が広まることです。それならば、確実に満足してもらえる顧客層を探しましょう。狭い範囲にターゲットをしぼり、その人達に必ず満足してもらえば良いのです。満足してもらえたら、その人達は次も利用してくれます。そして評判は評判を呼び、新しい顧客を連れてきてくれます。最初は小さな集団でも、確実に満足感を感じてもらうことで少しずつ大きくなるのです。

 顧客と良好な関係をつくる

  顧客との間に一度できた関係を長期間にわたって続け、良い関係を続けていくことも忘れてはなりません。「信頼」をつくるのです。あなたが企業に対して信頼を感じるのはどういう時でしょうか?商品の購入前・購入検討時・購入時・購入後と段階を経て考えてみましょう。質の良いモノを提供することは勿論、商品に対する情報提供や配達・納品体制、保証体制、アフターサービス、クレーム対応、従業員の態度、など顧客と企業が接する機会が実にたくさんあることに気付きます。その機会ごとに顧客は企業に対して何らかの印象を抱き、自分が「関係」を持とうとしている企業を評価しているのです。特に小売・サービス業では、顧客と接する時間が長くなるので、どう顧客と接するべきか十分に検討する必要があります。多くの店で従業員教育に時間を割いたりポイント制や会員システムを導入したりしているのは、顧客との関係を維持して再利用を促すためなのです。新しい顧客をつくるよりも、既に利用してくれた顧客との関係を保つことの方が、時間も労力もお金もかからないことを覚えておいてください。

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