京都産業21で繋ぐ!木材燻煙乾燥装置のシステム化
支援企業名株式会社藤田木材
燻煙乾燥装置
相談のきっかけ自社の強みを生かしながら、業界の課題も解決できるような新事業へチャレンジしたい!
当社は京都府内産木材の普及を促進しており、京都府下で唯一、木材の燻煙乾燥処理を行っています。
相談当初、原価上昇に対し価格転嫁できず、粗利が大幅減少していました。
この状況を打破すべく、『京都府内産木材と燻煙乾燥処理のウェイトを上げて、高付加価値での木材販売による収益の確保』といった新事業を決意され、新事業の取組を支援する経営革新計画承認制度にて支援をすることとなりました。
課題と支援内容生産効率アップへ!木材燻煙乾燥装置のシステム化
当初の計画は、京都府内産木材と燻煙乾燥処理の比率を上げることによる収益確保でした。
事業の肝である燻煙乾燥装置は、手動で管理しており、生産効率が悪く、一定の受注量しか対応できないことが課題と判明しました。そこで装置の遠隔操作システム化を提案。さらにシステム化した装置を増設し、燻煙乾燥木材の受注量アップによる売上拡大に繋げる計画にブラッシュアップしました。
さっそく、システム化実現に向けて、イノベーション推進室と連携し開発企業とのマッチングを行いました。システム導入の資金確保でつまずきそうになりましたが、事業成長支援担当と連携し、エコノミック・ガーデニング支援強化事業補助金にて、予算を確保。また、無理のない資金計画になるよう遠隔監視と制御システムの2ステップに分け導入しました。
設備増設と土地の取得では、後継者であるご子息が中心となり元気印認定制度に取り組んでもらい、計画策定支援を行いました。認定を受け、不動産取得税軽減措置も適用予定です。
本社
支援の効果システム化で従業員の理解度向上!ワークライフバランスの充実!システム化で実現できたプラスαの影響
遠隔監視システム化の実現により、燻煙乾燥に対する従業員の興味・理解が深まりました。
システム導入前は、工場の特定の従業員しか燻煙乾燥装置を扱えませんでしたが、個々の端末に温度データが共有されるため、燻煙乾燥に対する理解が深まり、業務の標準化・平準化に繋がりました。また、端末があればどこでも装置の状況について確認できるため、休日に工場へ行く手間がなくなり、ワークライフバランスの実現にも繋がっています。
従業員の士気も高まり、耐久性等に優れた付加価値のある燻煙乾燥木材の魅力発信に尽力されており、京都府内産木材の利用促進による地域資源の活性化への貢献も目標に、前向きな姿勢で新事業に取り組まれています。
現在はステップ2の制御システムの導入に向け、温度データを蓄積している状況で、将来的には、全自動で稼働できる装置をめざしています。
担当者からのコメント
システム化に係る資金面であきらめそうになった時、計画をしっかりと立てれば今できる範囲から徐々に実現へ近づくことができると実感しました。
今後も様々な支援制度を通じて、事業計画を立てる重要性について発信を強化していきたいです。