
発注は書面で!支払は遅れずに!
取適法(中小受託取引適正化法)とは・・・
令和7年5月23日に公布された、「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律」(令和7年法律第41号)により、下請代金支払遅延等防止法(下請法)が改正されました。
※改正の概要及び新旧の条文等については、下記の公正取引委員会ウェブサイトを御参照ください。
中小受託取引の公正化及び中小受託事業者の利益保護のため、委託事業者に課せられている義務と禁止事項は次のとおりです。
4つの義務
1.発注内容等を明示する義務
口頭発注による様々なトラブルを未然に防止するため、委託事業者は発注に当たって、発注内容(給付の内容、代金の額、支払期日、支払方法)等を書面又は電子メールなどの電磁的方法により明示しなければなりません。
※中小受託事業者からの承諾がなくとも電磁的方法による明示が可能となります。
2.取引に関する書類等を作成・保存する義務
製造委託をはじめとする中小受託取引が完了した場合、委託事業者は、給付内容、製造委託等代金の額など、取引に関する記録を書類又は電磁的記録として作成し、2年間保存することが義務付けられています。
3.支払期日を定める義務
委託事業者は、検査をするかどうかを問わず、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で、製造委託等代金の支払期日を定めなくてはなりません。
支払期日を定めなかった場合などには、次のように支払期日が法定されます。
ア 当事者間で支払期日を定めなかったときは、物品等を実際に受領した日
イ 当事者間で合意された取決めがあっても、物品等を受領した日から60日を超えて定めたときは、受領した日から起算して60日を経過した日の前日
4.遅延利息の支払う義務
委託事業者が、支払期日までに製造委託等代金を支払わなかった場合、受領した日から起算して60日を経過した日から実際に支払が行われるまでの期間、その日数に応じ中小受託事業者に対して遅延利息(年率14.6%)を支払う義務があります。
また、委託事業者が、中小受託事業者に責任がないのに、発注時に決定した製造委託等代金の額を減じた場合、起算日から実際に減じた額の支払をするまでの期間について、減じた額に対して遅延利息を支払う義務が新たに追加されます。この場合における遅延利息の起算日は、減額を行った日又は中小受託事業者から給付を受領した日から起算して60日を経過した日のいずれか遅い日になります。
この遅延利息は、民法、商法や当事者間で合意して決めた利率に優先して適用されます。当事者間でこの遅延利息と異なる約定利率(10%など)を定めていても、その約定利率は適用されません。
11の禁止事項
1.受領拒否(第5条第1項第1号)
中小受託事業者に責任がないのに、発注した物品等の受領を拒否することです。発注の取消し、納期の延長などで納品物を受け取らない場合も、受領拒否に当たります。
2.製造委託等代金の支払遅延(第5条第1項第2号)
発注した物品等の受領日から、60日以内で定められている支払期日までに製造委託等代金を支払わないことです。物品等の検査、検収に日数がかかる場合でも、受領後60日以内に支払わなければ支払遅延となります。
3.製造委託等代金の減額(第5条第1項第3号)
中小受託事業者に責任がないのに、発注時に決定した製造委託等代金を発注後に減額することです。協賛金の徴収、原材料価格の下落など、名目や方法、金額にかかわらず、あらゆる減額行為が禁止されています。
4.返品(第5条第1項第4号)
中小受託事業者に責任がないのに、発注した物品等を受領後に返品することです。不良品などがあった場合には、受領後6か月以内に限って、返品することが認められています。
5.買いたたき(第5条第1項第5号)
発注する物品・役務等に通常支払われる対価に比べ著しく低い製造委託等代金を不当に定めることです。通常支払われる対価とは、同種又は類似品等の市価です。製造委託等代金は、中小受託事業者と事前に協議の上、定めることが必要です。
6.購入・利用強制(第5条第1項第6号)
中小受託事業者に発注する物品の品質を維持するためなどの正当な理由がないのに、委託事業者が指定する物(製品、原材料等)、役務(保険、リース等)を強制して購入、利用させることです。
7.報復措置(第5条第1項第7号)
委託事業者の違反行為を公正取引委員会、中小企業庁又は事業所管省庁に知らせたことを理由に、その中小受託事業者に対して取引数量の削減・取引停止など、不利益な取扱いをすることです。
8.有償支給原材料等の対価の早期決済(第5条第2項第1号)
委託事業者が有償支給する原材料等で、中小受託事業者が物品の製造等を行っている場合、その原材料等が用いられた物品の製造委託等代金の支払日より早く、原材料等の対価を支払わせることです。
9.不当な経済上の利益の提供要請(第5条第2項第2号)
委託事業者が自己のために、中小受託事業者に金銭や役務、その他の経済上の利益を不当に提供させることです。製造委託等代金の支払とは独立して行われる、協賛金や従業員の派遣などの要請が該当します。
10.不当な給付内容の変更、やり直し(第5条第2項第3号)
中小受託事業者に責任がないのに発注の取消しや発注内容の変更を行ったり、受領した後にやり直しや追加作業を行わせる場合に、中小受託事業者が作業に当たって負担する費用を委託事業者が負担しないことです。
11.協議に応じない一方的な代金決定(第5条第2項第4号)
委託事業者が、中小受託事業者から価格協議の求めがあったにもかかわらず、協議に応じなかったり、必要な説明を行わなかったりするなど、一方的に製造委託等代金を決定することです。
◆お問い合わせ・ご相談は・・・・
市場開拓支援部 (TEL:075-315-8590/FAX:075-323-5211)
