実証実験から一転、アドバイスから広く事業化への探索へ
支援企業名株式会社ソフトディバイス
(株)ソフトディバイス UI/UXデザイン
相談のきっかけ介護向けアプリの有料化に向けて
株式会社ソフトディバイスは、UI/UXデザインをベースに 医療 / モビリティー / 家電 / インフラシステムなど、幅広くデザイン活動を行っている会社です。近年自社プロダクトにも力を入れており、認知機能が低下した高齢者や認知症の方向けに、日付や予定を分かりやすく表示させる日めくりカレンダーアプリ「yottey(ヨッティ)」の開発に取り組んでおられます。
無料で提供している本アプリの有料化を検討しているため、本アプリの実証実験を行政に協力してもらえないか、とのご相談をいただきました。
「yottey」の機能紹介
課題と支援内容京都府高齢者支援課の協力による支援
本アプリを有料化するにあたり、株式会社ソフトディバイスが製品モニターや学会を対象に有料化について発表したところ、
「数百円程度ならお金を払ってもよいが、介護システムアプリとして考えれば数百円では安く、一方で日常的に使用するカレンダーアプリとして考えれば無料にするべき」
といった意見がありました。
また、代金回収にサブスクリプションは使用しづらいため、端末とアプリをセットにした「売り切り」形態で展開したり、個人向けの本アプリを法人向けに開発したりすることも検討しておられました。
これらの点から、有料とした場合のユーザー数が読めないため、行政の協力のもと実証実験を行いたいとのことでしたので、京都府の高齢者支援課に協力を依頼し、行政との面談の場を設定しました。
「yottey」の機能紹介
支援の効果事業化への第一歩
面談の結果、実証実験を行うことはできないとのことでした。しかし、実証実験の依頼だけでなく、事業化の可能性についても相談し、アドバイスをいただくことができました。
具体的には、
・ケアマネージャーの負担が増えているため、軽減する方向に本アプリが機能すれば良さそう
・介護保険適用外のサービス事業者が多数いるため、有料サービス化を既存の事業者と連携して実現していくのはどうか
・認知症関連の事業者間の交流会に参加してみるのはどうか
当社は、これらのアドバイスに基づいて進め方を検討し、まずは認知症関連の事業者間の交流会に参加し、広く事業化の可能性を探っていくこととなりました。
後日、1年間の無料期間での意見収集を終え、予定通り有料(30日間は無料)のサブスクリプションとしてアプリを販売され、現在はチャレンジ・バイ(京都府新商品・サービス販売促進支援制度)に認定してもらうため、申請の手続きを進められています。
担当者からのコメント
方向性が明確になったことで、事業化が進んでいくことを期待しています。今後も、事業化に関する相談対応や財団内の支援制度の紹介など、本アプリの事業化に向けた総合的な支援を継続していきたいと思います。