伴走支援成果事例紹介
2025.12.25 更新
人材の育成・確保 事業承継経営改善・継続

主婦から社長へ経営未経験で挑む、老舗の事業承継とV字回復

支援時の部署名:京都府よろず支援拠点
関連する事業等:京都府よろず支援拠点

支援企業名菊水食品株式会社

清滝外観

相談のきっかけ先代急逝、残された事業と山積する経営課題

 京都府与謝野町の菊水食品株式会社は、「地元に愛され80年」を掲げる地域密着企業です。
自家製麺や寿司の製造販売を基盤に、仕出しや弁当宅配、居酒屋など幅広い事業を展開し、地域の食生活を支えてきました。

しかし先代の急逝後、複数部門が乱立し経営全体を十分に把握できない状況にありました。さらに、採算の合わない取引や旧態依然とした居酒屋メニューが収益を圧迫し、事業整理と成長戦略の構築が大きな課題となっていました。

桜うどん

課題と支援内容採算性の抜本的見直しへ、「選択と集中」が急務

 承継当時、各事業が独立採算の意識なく運営され戦略が不在でした。
売上規模の大きい弁当や惣菜事業においても、手間に対し収益性が低い取引を継続。また居酒屋は旧態依然のメニューで非効率な状態でした。結果として財務面で多額の営業損失を計上しており、抜本的な改革が急務でした。
 支援は、まず社長に「強みを100個書き出す」SWOT分析を実践してもらうことから開始。客観的な視点で事業全体を見つめ直す機会としました。分析後は「強み×機会」を軸に事業戦略を再設定。「うどん」と「居酒屋」を強みと再認識し、収益性の低い惣菜・卸事業から撤退を決断しました。
 居酒屋は「うどん」「ホルモン」を軸にメニューを絞り、地元ファミリー層も楽しめるコンセプトを明確化。社長の友人が手掛けたイラスト入りメニューや、商工会連携の補助金で刷新した看板で訴求力を高め、段階的な値上げも断行。金融機関と事業計画を共有し支援体制を固めました。

ホルモン焼きそば

支援の効果客観分析で強みに集中、事業整理と改革を断行

 事業の選択と集中や価格改定といった経営改革の成果は1年目から徐々に表れ始め、2年間で確かなものとなりました。
 売上高は10%成長、会社の稼ぐ力を示す付加価値額は32.5%増加、従業員一人ひとりの生産性は49.0%向上と、V字回復が数字となって明確になりました。
こうした定量的な成果に加え、市田社長が先代の想いを汲み取りつつも自信を持って経営判断を下せるようになり、古参社員との対話や適材適所の人員配置を経て組織の一体感が醸成されたことも大きな効果です。

 今後は、会社の強みである自家製「うどん」事業をさらに磨き上げ、地域に根差した「うどん文化」の発信拠点としての役割を果たしていくことを目指しています。その取り組みの一環として、居酒屋業態を活かしたうどん中心のランチ営業を開始し、新たな顧客層の獲得とブランド価値の向上に取り組んでいます。
 また、関西圏のテレビ番組で繰り返し取り上げられるなど広域での注目度も向上しており、これを追い風に次なる成長ステージへと着実に歩みを進めています。

担当者からのコメント

 先代の想いと改革の狭間で葛藤しながらも、覚悟を持って邁進される市田社長の姿に強く感心いたしました。
地域と従業員を思いながら歩みを進められる姿勢に学ぶ点も多く、ご支援の機会をいただけたことに心より感謝いたします。

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