製品の良さを伝えられる「コンセプト」と「キャッチコピー」づくり
支援企業名ながすな繭株式会社
相談のきっかけ自社商品のブランディングの悩み
同社はシルク原料のたんぱく質(セリシン・フィブロイン)を活用した研究開発・原料販売と、同原料を使用した自社商品の企画・開発・販売及び養蚕事業の3つの柱で事業展開。
このうち自社の新商品(化粧品)のブランディングを外注したところ、ヒアリング等もないままに提案がなされ、意図を全く反映しないものが出来上がり、困っていたところ、北部地域産業転換事業で実施する「アドバイザー派遣事業」を知り、応募されました。
課題と支援内容納得できる「キャッチコピー」を
コストをかけられない中で、アドバイスを受けながら「納得できるキャッチコピー」を自社で作成することを課題として設定し、外部アドバイザーからコンセプトメイキングの方法についてアドバイスを受けながら、営業部長(現、代表取締役)が中心となりターゲットユーザー(特に年齢層)を明確化し、商品の特徴や伝えたい内容を列挙する作業を実施。
次に、列挙された言葉について、アドバイザーから第三者的な視点からの訴求ポイントについてアドバイスをもらいました。その意見を踏まえ、訴求ポイント社内での意見聴取を経て順位付けを行うとともに、より的確に伝える言葉・表現方法を①「消費者にとってのメリット」、②「その根拠となるもの(エビデンス)」から検討、言語化を進めました。
支援の効果ECサイトで商品販売開始
派遣事業内ではアドバイスを受けて以下の2案を作成
・「独自加工の※スフェリカルシルクだから崩れにくい 本物のシルク肌へ」※スフェリカル=球状
・「自然な輝きと透明感、かつてないシルクパウダー」
これらを元に社内で検討の結果「美しくなめらかな肌へ、かつてない素肌感を実現するフェイスパウダー」というキャッチコピーを作成。「yuhune」のブランド名で2025年3月からECサイト上で販売を開始しました。サイトへのUPにあたっては、取引のある広告会社とも相談のうえさらにブラッシュアップ。
また、現在はファンド・融資等による資金調達を実施し、原材料の生産能力の大幅向上を目指した設備導入と工場機能の拡張に注力されており、今後の販売拡大も期待されます。
担当者からのコメント
今回のアドバイザー事業で実施した、「商品そのものの位置づけを自社内で明確化しておく」という作業は、商品の市場導入には必須の工程で、今後新たに自社商品を持とうとする製造業の参考となる事例と思われます。