平成23年度
「第1回発注企業動向調査」調査結果の概要(要旨)


 当財団では、財団に登録する発注企業の動向を把握し、情報として提供することで、より効果的な受注活動等の促進を図り、あわせて財団における取引あっせん業務の円滑化を図るために、発注企業動向調査を実施いたしました。(調査時期:平成 23年3月末、回収締切:平成23年5月24日)

 

調査対象企業:機械金属関連162社
調査回収企業数:93社
(回収率:57.4%)

業種別内訳:金属製品14社(15.1%)、一般機器35社(37.6%)、
電気機器23社(24.7%)、輸送用機器7社(7.5%)、精密機器14社(15.1%)


概要は、以下のとおりです。
1.売上状況について及び今後の売上額の見通しについて
【グラフ1売上状況の比較
(数字は%)

全体では、前回調査と比較して「増加」が6.7ポイント低下して40.9%とな、「減少」が0.3%ポイント微増の 24.7%となった

 業種別では、金属製品、電気機器及び精密機器において「増加」とする企業が大きく減少し、また、金属製品及び精密機器では「減少」とする企業が増えた一方、一般機器及び輸送用機器においては、「増加」とする企業が増えると共に「減少」とする企業が減る結果となった。


【グラフ223年度の「上期」及び23年度の「下期」の売上額の見通し
(数字は%)

全体では、2年度期においては「増加」が38.7%に対して、23年度下期においては33.3%5.4ポイント低下し、「減少」とする企業が23年度期において33.3%と、23年度期から17.2ポイント上昇する結果となった。

 業種別では、一般機器及び輸送用機器を除くすべての業種において、23年度期は「増加」を見込む企業が減少した。また、全ての業種において、23年度下期は減少」を見込む企業が増える結果となった。特に金属製品では、[減少」とする企業が5割を超えた。




2.外注状況について及び今後の外注額の見通しについて
【グラフ3外注利用状況の比較
(数字は%)

全体では、前回調査と比較して「増加」33.3%と6.9ポイント低下し、「減少」は4.8ポイント低下して19.4%となった。

業種別では、一般機器及び輸送用機器を除く全業種において、「増加」とする企業が減ると共に、「横ばい」とする企業が増えた。また、輸送用機器においては、「減少」とする企業が0ポイントとなった



【グラフ423年度の「上期」及び23年度の「下期」の外注の見通し
(数字は%)

全体では、23年度期においては「増加」とする企業が24.7%で、2年度期と比較してポイント上昇すると共に、「減少」とする企業が23年度期で30.1%と、2年度期と比較し7.5ポイント上昇する結果となった。
業種別では、
バラつきがみられるが、23年度期において一般機器及び電気機器を除く全ての業種で「増加」とする企業が減り、特に金属製品において「減少」を見込む企業が前回の3倍近い64.3%となった。




3.受注企業に望む能力について
【グラフ5(1) 品質について受注企業に望むこと
【重複回答(回答数 237)】
(数字は%)

ア.要求以上の加工精度 イ.要求どおりの加工精度 ウ.バラツキの無い品質安定度 エ.新鋭設備の導入 オ.職人(技術者)の育成 カ.工程管理の強化 
キ.検査体制の強化 ク. 改善提案も含めた体制強化   ケ.ISOなどの要求
コ.その他

「要求通りの加工精度
()」との回答が26.6%と最も多く、次いで「バラつきの無い品質安定度()」が21.9%「改善提案も含めた体制強化()」が15.2%、次いで「工程管理の強化()」が13.1%、「検査体制の強化()」が12.7%となっている。
  発注企業は、受注企業に対して、高く安定した技術力の発揮を期待しており、精度の確保と品質安定のための積極的な提案、検査体制及び工程管理の強化を重視しているといえる。


【グラフ6(2) コストについて受注企業に望むこと
【重複回答(回答数 211)】
(数字は%)

ア.要求以上の低コスト対応 イ.発注内容に応じたコスト対応
ウ.適正な見積書作成能力 エ.新鋭設備の導入によるコストダウン
オ.工程管理の強化によるコストダウン カ.市場価格への対応
キ.海外調達、進出等による低コスト対応 ク. 改善提案によるコスト提案
ケ.その他

「改善提案によるコストダウンン()」の回答が22.7%と最も多く、次いで「発注内容に応じたコスト対応()」の回答が22.3%「市場価格への対応()」が13.7%となっている。多くの企業で前回3番目であった「改善提案によるコストダウン()」を望んでいる結果となった。 発注企業のコスト意識は変わらず厳しく、受注企業には厳しいコスト低減を求めるだけでなく、コスト低減のための提案にも多く期待している。


【グラフ7(3) 納期について受注企業に望むこと
 【重複回答(回答数 132)】
(数字は%)

ア.ジャストイン・タイムへの対応 イ.在庫保有等による対応
ウ.状況に応じた柔軟な納期対応 エ.納期管理、在庫管理能力の強化
オ.その他

「状況に応じた柔軟な納期対応()」が47.7%と最も高く、次いで「ジャストインタイムへの対応()」が24.2%、「納期管理、在庫管理能力の強化()」が22.7%となった。

受注企業に対して、小回りを利かせた柔軟な納期対応が求められているようである。




4.新規外注先企業を探す場合の情報収集の方法について
【グラフ8*重複回答(回答計数  200)
(数字は%)

●グラフの項目
.外注企業からの営業活動
.財団(機構)からのあっせん
.ビジネスパートナー交流会等の各種展示会見学
.情報誌、企業名簿等からの情報収集 
.説明会を開催し、資材調達情報を公開
.インターネットホームページで資材調達先を公募
.財団(機構)開催による商談会の参加
.その他(グループ内や他社・取引先からの紹介) 

 「受注企業からの営業活動()」との回答が32.0%と最も多く、次いで「ホームページでの資材調達()」が22.5%、その次に「ビジネスパートナー交流会等の各種展示会見学()」が15.0%となっており、前回調査と比較して2位と3位が逆転した。

  受注企業としては、営業活動の重要性はもとより、各種展示会への出展とあわせ、インターネットを活用しての情報発信がますます重要になってくることがうかがえる。



 

 【グラフ9 (回答計数  93)

  (数字は%)

全体として、新規外注先を「探している」(19.4%)と「将来的に探している」(24.7%)を合わせた割合(44.1%)を、「探していない」(53.8%)9.7ポイント上回り、探していないとする企業は今回も5割を超えている。

  業種別では、「将来的に探している」を含め「探している」とする企業は、一般機器と精密機器で5割超となっている。また、前回調査と比較すると、精密機器を除くすべての業種において「探していない」とする企業が減少した。

  

 

報告書詳細<PDF形式 1.4MB>はこちら

 

本調査についてのお問合せは、企画総務部 企画広報グループ
E-mail
kikaku@ki21.jp)まで

 

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