平成20年度
「第2回発注企業動向調査」調査結果の概要(要旨)


 

 当財団では、財団に登録する発注企業の動向を把握し、情報として提供することで、より効果的な受注活動等の促進を図り、あわせて財団における取引あっせん業務の円滑化を図るために、発注企業動向調査を実施いたしました。(調査時期:平成 20年9月末、回収締切:平成20年11月7日)
調査対象企業:機械金属関連165社
調査回収企業数:102社
(回収率:61.8%)
業種別内訳:金属製品16社(15.7%)、一般機器36社(35.3%)、
電気機器24社(23.5%)、輸送用機器7社(6.9%)、精密機器19社(18.6%)
 概要は、以下のとおりです。


 

1.売上状況について及び今後の売上額の見通しについて
【グラフ1】 売上状況の比較
 

  全体では、前回調査と比較して「増加」が22.5%で27.5ポイント減少し、「減少」が44.1%と29.5ポイント増加している。「増加」から「減少」をひいた割合で比較すると、前回の35.4ポイントに対して今回は マイナス21.6ポイントで、大きく減少した。
 業種別では、 輸送用機器については大きな変化は見られないが、その他の全業種で「増加」とする企業が大きく減少すると共に、「減少」とする企業が大きく増加した。


 

【グラフ2】20年度の「下期」及び21年度の「上期」の売上額の見通し

 全体では、「「減少」とする企業について大きな変動は見られないものの、20年度下期においては「増加」が21.6%に対して、21年度上期においては6.9%に減少 しており、さらに厳しい見通しとなっている。
 業種別では、全業種で21年度上期において「増加」とする企業が大きく減少する結果となった。
 
 


 

2.外注状況について及び今後の外注額の見通しについて
【グラフ3】外注利用状況の比較
 

 全体では、「増加」が19.6%で前回から12.7ポイント減少し、「減少」は47.1%と31.5ポイント増加している。「増加」から「減少」を引いた割合で比較すると、前回が16.7ポイントに対して今回は マイナス27.5ポイントとマイナス領域に入った。外注額比較がマイナス領域に入るのは、平成16年9月以来4年ぶりである。
 業種別では、全業種で「増加」とする企業が減少すると共に、全業種で「減少」とする企業が増加しており、 中でも金属製品と一般機器及び電気機器においては、「減少」とする企業の割合が大きく増加した。

【グラフ4】20年度の「下期」及び21年度の「上期」の外注の見通し

    (数字は%)

 全体では、21年度上期においては「増加」とする企業が6.9%で11.7ポイント減少し、「増加」から「減少」を引いた割合では、20年度下期の マイナス34.3ポイントに対してマイナス48ポイントであった。
 業種別では、精密機器を除く全業種でで「増加」とする企業が減少した。特に金属製品と輸送機器においては「増加」とする企業がゼロポイントとなった。

 


 

3.受注企業に望む能力について
【グラフ5】(1) 品質について受注企業に望むこと

                            【重複回答(回答数 270)】

    (数字は%)
ア.要求以上の加工精度 イ.要求どおりの加工精度 ウ.バラツキの無い品質安定度 エ.新鋭設備の導入 オ.職人(技術者)の育成 カ.工程管理の強化 
キ.検査体制の強化 ク. 改善提案も含めた体制強化   ケ.ISOなどの要求
コ.その他

 「要求どおりの加工精度」との回答が25.2%と最も多く、次いで「バラつきの無い品質安定度」が21.1%、「検査体制の強化」が17.8%、「工程管理の強化」が15.9%、「改善提案も含めた体制強化」が11.1%となっている。
 発注企業は、受注企業に対して、高く安定した技術力の発揮を期待しており、精度の確保と品質の安定のための検査体制と工程管理の強化を重視していると言える。

【グラフ6】(2) コストについて受注企業に望むこと

                            【重複回答(回答数 241)】

   (数字は%)
ア.要求以上の低コスト対応 イ.発注内容に応じたコスト対応
ウ.適正な見積書作成能力 エ.新鋭設備の導入によるコストダウン
オ.工程管理の強化によるコストダウン カ.市場価格への対応
キ.海外調達、進出等による低コスト対応 ク. 改善提案によるコスト提案
ケ.その他

 「発注内容に応じたコスト対応」の回答が23.7%と最も多く、次いで「改善提案によるコストダウン」が21.2%、次いで「市場価格への対応」が17.0%となっている。
 発注企業のコスト意識は変わらず厳しいものがあり、受注企業には厳しいコスト低減を求めるだけでなく、コスト低減のための提案にも多く期待している。

【グラフ7】(3) 納期について受注企業に望むこと

                            【重複回答(回答数 158)】

  (数字は%)
ア.ジャストイン・タイムへの対応 イ.在庫保有等による対応
ウ.状況に応じた柔軟な納期対応 エ.納期管理、在庫管理能力の強化
オ.その他

   「状況に応じた柔軟な納期対応」が46.8%と最も高く、次いで「ジャストインタイムへの対応」が24.7%、「納期管理、在庫管理能力の強化」が24.1%、となって おり、前回と比較して僅差で2位と3位が逆転した。
  受注企業に対して、小回りを効かせた柔軟な納期対応が求められているようである。


 

4.新規外注先企業を探す場合の情報収集の方法について
【グラフ8】*重複回答(回答計数  238)
   (数字は%)
●グラフの項目
.外注企業からの営業活動
.財団(機構)からのあっせん
.ビジネスパートナー交流会等の各種展示会見学
.情報誌、企業名簿等からの情報収集 
.説明会を開催し、資材調達情報を公開
.インターネットホームページで資材調達先を公募
.財団(機構)開催による商談会の参加
.その他(グループ内や他社・取引先からの紹介)
   「受注企業からの営業活動」との回答が27.7%と最も多く、次いで「ホームページでの資材調達」が18.9%、「ビジネスパートナー交流会等の各種展示会見学」が18.5%となっている。
  今回も、発注企業が新規外注先の獲得に向けて努力している現われであり、受注企業側にとって各種展示会への出展による情報発信と共にインターネットを活用することがさらに重要になってくることが伺える。
  


 

5.新規外注先企業の開拓について
   【グラフ9】

      

全体として、新規外注先を「探している」(24.5%)と「将来的に探している」(27.5%)を合わせた割合(52.0%)が「探していない」とする企業(47.1%)を4.9ポイント上回った結果となった。
  業種別では、「探している」とする企業は、「将来的に探している」を含めると、一般機器では6割を超え、精密機器で5割を超える割合となったが、その他の業種では4割程度にとどまった。

 

報告書詳細<PDF形式 104KB>はこちら

 

本調査についてのお問合せは、企画総務部 企画広報グループ
(E-mail:
kikaku@ki21.jp)まで

 

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