平成20年度
「第1回発注企業動向調査」調査結果の概要(要旨)


 

 当財団では、財団に登録する発注企業の動向を把握し、情報として提供することで、より効果的な受注活動等の促進を図り、あわせて財団における取引あっせん業務の円滑化を図るために、発注企業動向調査を実施いたしました。(調査時期:平成 20年3月末、回収締切:平成20年5月26日)
調査対象企業:機械金属関連170社
調査回収企業数:96社
(回収率:56.5%)
業種別内訳:金属製品16社(16.7%)、一般機器35社(36.5%)、
電気機器20社(20.8%)、輸送用機器9社(9.4%)、精密機器16社(16.7%)
 概要は、以下のとおりです。


 

1.売上状況について及び今後の売上額の見通しについて
【グラフ1】 売上状況の比較
 

  全体では、前回調査と比較して「増加」が50.0%で14ポイント増加し、「減少」が14.6%と14.7ポイント減少している。「増加」から「減少」をひいた割合で比較すると、前回の6.7ポイントに対して今回は35.4ポイントで、大きく増加した。
 業種別では、「増加」とする企業が電気機器では前回の3倍を超える割合となり、金属製品、精密機器でもそれぞれ20ポイント程度増加した。輸送用機器では3期連続で「減少」とする企業がなく、他の全業種でも「減少」とする企業の割合が減少した。


 

【グラフ2】20年度の「上期」及び20年度の「下期」の売上額の見通し

 全体では、20年度上期においては「増加」が37.5%に対して、20年度下期においては25.0%と12.5ポイント減少するとともに、「減少」が34.4%と20年度上期の3倍以上の割合となった。
 業種別では、20年度下期では輸送用機器を除いて「増加」が減少しており、中でも金属製品は1/2の割合に減少した。「増加」と「横ばい」を合わせた割合では、20年度上期では全業種で8割近くあったが、20年度下期では輸送用機器を除いて6割程度となった。
 
 


 

2.外注状況について及び今後の外注額の見通しについて
【グラフ3】外注利用状況の比較
 

 全体では、「増加」が32.3%で前回から1.6ポイント増加し、「減少」は15.6%と13.7ポイント減少している。「増加」から「減少」を引いた割合で比較すると、前回が1.4ポイントに対して今回は16.7ポイントと、大きく増加した。
 業種別では、一般機器と輸送用機器で「増加」とする企業が減少したが、その他の業種では増加しており、「増加」と「横ばい」を合わせた割合では金属製品を除く全業種で8割を超える割合となった。

【グラフ4】19年度の「下期」及び20年度の「上期」の外注の見通し

)数字は%)

 全体では、20年度下期においては「増加」とする企業が21.9%で6.2ポイント減少し、「増加」から「減少」を引いた割合では、20年度上期の12.5ポイントに対して△7.3ポイントと大きく減少した。
 業種別では、輸送用機器と精密機器で「増加」に変動がないものの、共に「減少」とする企業が増加した。その他の業種では、「増加」の減少と「減少」の増加が見られる結果となった。


 

3.受注企業に望む能力について
【グラフ5】(1) 品質について受注企業に望むこと

                            【重複回答(回答数 244)】

(数字は%)
ア.要求以上の加工精度 イ.要求どおりの加工精度 ウ.バラツキの無い品質安定度 エ.新鋭設備の導入 オ.職人(技術者)の育成 カ.工程管理の強化 
キ.検査体制の強化 ク. 改善提案も含めた体制強化   ケ.ISOなどの要求
コ.その他

 「要求どおりの加工精度」との回答が27.5%と最も多く、次いで「バラつきの無い品質安定度」が20.9%、「検査体制の強化」が16.0%、「工程管理の強化」が13.9%、「改善提案も含めた体制強化」が13.1%となっている。
 発注企業は、受注企業に対して、高く安定した技術力の発揮を期待しており、精度の確保と品質の安定のための検査体制と工程管理の強化を重視していると言える。

【グラフ6】(2) コストについて受注企業に望むこと

                            【重複回答(回答数 217)】

(数字は%)
ア.要求以上の低コスト対応 イ.発注内容に応じたコスト対応
ウ.適正な見積書作成能力 エ.新鋭設備の導入によるコストダウン
オ.工程管理の強化によるコストダウン カ.市場価格への対応
キ.海外調達、進出等による低コスト対応 ク. 改善提案によるコスト提案
ケ.その他

 「発注内容に応じたコスト対応」の回答が23.5%と最も多く、次いで「改善提案によるコストダウン」が20.3%、次いで「市場価格への対応」が15.2%となっている。
 発注企業のコスト意識は変わらず厳しいものがあり、受注企業には厳しいコスト低減を求めるだけでなく、コスト低減のための提案にも多く期待している。

【グラフ7】(3) 納期について受注企業に望むこと

                            【重複回答(回答数 141)】

(数字は%)
ア.ジャストイン・タイムへの対応 イ.在庫保有等による対応
ウ.状況に応じた柔軟な納期対応 エ.納期管理、在庫管理能力の強化
オ.その他

   「状況に応じた柔軟な納期対応」が44.7%と最も高く、次いで「納期管理、在庫管理能力の強化」が27.0%、「ジャストインタイムへの対応」が24.8%となっている。
  受注企業に対して、小回りを効かせた柔軟な納期対応が求められているようである。


 

4.新規外注先企業を探す場合の情報収集の方法について
【グラフ8】*重複回答(回答計数  221)
(数字は%)
●グラフの項目
.外注企業からの営業活動
.財団(機構)からのあっせん
.ビジネスパートナー交流会等の各種展示会見学
.情報誌、企業名簿等からの情報収集 
.説明会を開催し、資材調達情報を公開
.インターネットホームページで資材調達先を公募
.財団(機構)開催による商談会の参加
.その他(グループ内や他社・取引先からの紹介)
   「受注企業からの営業活動」との回答が27.1%と最も多く、次いで「ホームページでの資材調達」が19.5%、「ビジネスパートナー交流会等の各種展示会見学」が18.6%となっている。
  今回も、発注企業が新規外注先の獲得に向けて努力している現われであり、受注企業側にとって各種展示会への出展による情報発信と共にインターネットを活用することがさらに重要になってくることが伺える。
  


 

5.新規外注先企業の開拓について
   【グラフ9】

    全体として、新規外注先を「探している」(24.0%)と「将来的に探している」(26.0%)を合わせた割合(50.0%)が「探していない」とする企業(49.0%)をわずかに1ポイント上回った結果となった。
  業種別では、「探している」とする企業は、「将来的に探している」を含めると、一般機器では6割を超え、精密機器で5割を超える割合となったが、その他の業種では4割程度にとどまった。

 

報告書詳細<PDF形式 90KB>はこちら

 

本調査についてのお問合せは、企画総務部 企画広報グループ
(E-mail:
kikaku@ki21.jp)まで

 

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