平成14年度
「第1回発注企業動向調査」調査結果の概要(要旨)


 当財団では、財団に登録する発注企業の動向を把握し、情報として提供することで、より効果的な受注活動等の促進を図り、あわせて財団における取引あっせん業務の円滑化を図るために、発注企業動向調査を実施いたしました。(調査時期:平成14年3月末、回収締切:平成13年4月末)
調査対象企業:機械金属関連143社
調査回収企業数:85社
(回収率:59.4%)
業種別内訳:金属製品14社(16.5%)、一般機械30社(35.3%)、
電機機器18社(21.2%)、輸送用機器10社(11.7%)、精密機器13社(15.3%)
 概要は、以下のとおりです。


1.売上状況について及び今後の売上額の見通しについて
【グラフ1】 売上状況の比較

 前回調査と比較して、「増加」が20.0%と4.8ポイント増加する一方で、「減少」が38.8%で17.9ポイント減少しており、売上額の増加傾向があり、回復の兆しが見られる。【グラフ1参照】
 業種別では金属製品、一般機器、電気機器で増加傾向が見られるが、輸送用機器、精密機器で「増加」が減少しており、業種によるばらつきが見られる。

【グラフ2】14年度の「上期」及び14年度の「下期」の売上額の見通し

 本年度上期においては「減少」と見通すものが30.6%で「増加」(25.9%)を上回っているが、下期においては、逆に「増加」が32.9%で「減少」(21.2%)を上回っており、先行き回復傾向がうかがえる結果となっている。【グラフ2参照】
 業種別では、ばらつきが見られるものの、各業種とも先行き回復を見通す結果となっている。


2.外注状況について及び今後の外注額の見通しについて
【グラフ3】外注利用状況の比較

 前回調査と比較して、「増加」が17.6%で4.6ポイントとわずかながら増加し、「減少」が45.9%で12.8ポイント減少しており、増加傾向が見られるものの、「減少」が45.9%と半数近くを占めており、依然として厳しい状況も見られる。【グラフ3参照】
 業種別では、一般機器で「増加」が2割近く増えているものの、金属製品、精密機器では「増加」が減っており、ばらつきが見られる。

【グラフ4】14年度の「上期」及び14年度の「下期」の外注額の見通し

 本年度上期においては「減少」と見通すものが35.3%で「増加」(16.5%)を大きく上回っているが、下期においては、「増加」、「減少」ともに27.1%で同率となり、先行き増加傾向がうかがえる結果となっている。
 業種別では、一般機器、電気機器、精密機器で「増加」の見通しが2割以上を占めており、先行きはさらに増加傾向が見られる。


3.外注企業に望む能力について
(1) 品質について外注企業に望むこと

【重複回答(回答数 234)】

ア.要求以上の加工精度 イ.要求どおりの加工精度 ウ.バラツキの無い品質安定度 エ.新鋭設備の導入 オ.職人(技術者)の育成 カ.工程管理の強化 
キ.検査体制の強化 ク.VE/VA提案も含めた体制強化   ケ.ISOなどの要求
コ.その他

  「要求どおりの加工精度」との回答が26.9%と最も多く、次いで「バラツキの無い品質安定度」が19.2%、「検査体制の強化」が15.0%、「VE/VA提案を含めた体制強化」14.5%、「工程管理の強化」が14.1%となっており、前回調査と比べて大きな変化は見られない。
 発注企業は、外注企業に対して精度の確保と品質の安定のための検査体制、工程管理の強化を求めているようである。

(2) コストについて外注企業に望むこと

【重複回答(回答数 203)】

ア.要求以上の低コスト対応 イ.発注内容に応じたコスト対応
ウ.適正な見積書作成能力 エ.新鋭設備の導入によるコストダウン
オ.工程管理の強化によるコストダウン カ.市場価格への対応
キ.海外調達、進出等による低コスト対応 ク.VE/VA提案によるコスト提案
ケ.その他

 「市場価格への対応」との回答が22.7%と最も多く、次いで「発注内容に応じたコスト対応」が20.7%、「VE/VA提案によるコスト提案」が17.2%となっている。
 市場価格が一段と低下する中で、発注企業のコスト意識が厳しくなっており、外注企業には厳しいコスト対応が要求さるとともに、コスト低減のための提案も期待されているいるようである。

(3) 納期について外注企業に望むこと

【重複回答(回答数 131)】

ア.ジャストイン・タイムへの対応 イ.在庫保有等による対応
ウ.状況に応じた柔軟な納期対応 エ.納期管理、在庫管理能力の強化
オ.その他

 「状況に応じた柔軟な納期対応」が48.1%と最も高く、次いで「ジャストインタイムへの対応」が26.7%で、「納期管理、在庫管理能力」が21.4%となっている。
  外注企業に対して、コストアップすることなく、小回りを効かせた、フレキシブルな納期対応が求められているようである。


4.新規外注先企業を探す場合の情報収集の方法について
【グラフ5】*重複回答(回答計数 156)
●グラフの項目
.下請企業からの営業活動
.公社(協会)からのあっせん
.テクノフェア等の各種展示会見学
.情報誌、企業名簿等からの情報収集 
.説明会を開催し、資材調達情報を公開
.インターネットホームページで資材調達先を公募
.公社(協会)開催による商談会の参加
.その他
 「下請企業からの営業活動」との回答が37.8%と最も多く、次いで「情報誌、企業名簿等からの情報収集」が18.6%となっている。
  現状では、外注企業自身の積極的な営業活動の重要性を示す結果となっており、受注企業の積極的な情報発信(企業名簿等への掲載、各種展示会への出展を含む)が重要であることがうかがえる


5.新規外注先企業の開拓について
 

  新規外注先を「探していない」とする企業(74.1%)が「探している」(8.2%)と「将来的に探している」(15.3%)を合わせた割合(23.5%)を50.6ポイントと大幅に上回っている。
  業種別では、「将来的に探している」ものを含めて、一般機器、精密機器では3割以上の企業が新規外注先をさがしているものの、輸送用機器では、「探している」とする企業は見られない。

 

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報告書詳細<PDF形式 304KB>はこちら

 

本調査についてのお問合せは、総務部 企画広報課
(E-mail:kikaku@ki21.jp)まで

 

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