平成11年度
「第2回発注企業動向調査」調査結果の概要(要旨)


 公社では、公社に登録する発注企業の動向を把握し、情報として提供することで、より効果的な受注活動等の促進を図り、あわせて公社における取引あっせん業務の円滑化を図るために、発注企業動向調査を実施いたしました。(調査時期:平成11年9月末、回収締切:平成11年10月末)
調査対象企業:機械金属関連146社
調査回収企業数:100社
(回収率:68.5%)
業種別内訳:金属製品17社(17.0%)、一般機械32社(32.0%)、電機機器21社(20.0%)、輸送用機器10社(10.0%)、精密機器21社(21.0%)
 概要は、以下のとおりです。


1.売上状況について及び今後の売上額の見通しについて
【グラフ1】 11年度の「上期」と10年度の「下期」の売上額の比較
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 「減少」が「増加」を上回っており、厳しい状況が続いているものの、「増加」とする企業が29.0%で前回調査と比較して7.4ポイント増加し、 「減少」とする企業は31.0%で前回調査と比較して17.6ポイント減っており、回復傾向を示す結果となっている。

【グラフ2】11年度の「下期」及び12年度の「上期」の売上額の見通し

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 今後の見通しについては、過去の調査において、期待感も含めて増加するとの回答が多くなる傾向があり、今回も、「増加」が「減少」を上回ってはいるものの、総じて慎重な見通しとなっている。


2.外注状況について及び今後の外注額の見通しについて
【グラフ3】11年度の「上期」と10年度の「下期」の外注額の比較
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 「減少」が「増加」を上回っており、受注企業にとっては厳しい状況が続いているものの、前回調査と比較して「増加」とする企業が26.7%で8.7ポイント増加し、「減少」とする企業が34.7%で18.5ポイント減っており、回復傾向が見られる。

【グラフ4】11年度の「下期」及び12年度の「上期」の外注額の見通し

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 今後の見通しについては、ほぼ横ばいの見通しとなっている。


3.外注企業に望む能力について
(1) 品質について外注企業に望むこと

【重複回答(回答数 182)】

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ア.要求以上の加工精度 イ.要求どおりの加工精度 ウ.バラツキの無い品質安定度 エ.新鋭設備の導入 オ.職人(技術者)の育成 カ.工程管理の強化 
キ.検査体制の強化 ク.VE/VA提案も含めた体制強化   ケ.ISOなどの要求
コ.その他

 「要求どおりの加工精度」との回答が24.4%と最も多く、次いで「バラツキのない品質安定度」が21.9%、「検査体制の強化」が18.1%となっている。   
 発注企業は、外注企業に対して精度の確保と品質の安定を強く求めており、検査体制の強化も含めて、受注確保のための大きな課題となっているようである。

(2) コストについて外注企業に望むこと

【重複回答(回答数 235)】

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ア.要求以上の低コスト対応 イ.発注内容に応じたコスト対応
ウ.適正な見積書作成能力 エ.新鋭設備の導入によるコストダウン
オ.工程管理の強化によるコストダウン カ.市場価格への対応
キ.海外調達、進出等による低コスト対応 ク.VE/VA提案によるコスト提案
ケ.その他

「発注内容に応じたコスト対応」との回答が22.6%と最も多く、次いで「市場価格への対応」が20.0%、「工程管理の強化によるコストダウン」が15.6%となっている。発注企業のコスト削減が進む中、外注企業にもさらに厳しいコスト対応が要求されるものと予想される。

(3) 納期について外注企業に望むこと

【重複回答(回答数 145)】

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ア.ジャストイン・タイムへの対応 イ.在庫保有等による対応
ウ.状況に応じた柔軟な納期対応 エ.納期管理、在庫管理能力の強化
オ.その他

  「状況に応じた柔軟な納期対応」が49.0%と最も高く、次いで「ジャストインタイムへの対応」が25.5%となっている。
 外注企業に対して、コストアップすることなく、小回りを効かせた、フレキシブルな納期対応が求められているようである。 


4.新規外注先企業を探す場合の情報収集の方法について
【グラフ5】*重複回答(回答計数 182)
graph05.gif (2499 バイト) ●グラフの項目
.下請企業からの営業活動
.公社(協会)からのあっせん
.テクノフェア等の各種展示会見学
.情報誌、企業名簿等からの情報収集 
.説明会を開催し、資材調達情報を公開
.インターネットホームページで資材調達先を公募
.公社(協会)開催による商談会の参加
.その他
 「下請企業からの営業活動との回答」が36.3%と最も多く、次いで「情報誌、企業名簿等からの情報収集」が18.1%となっている。
 現状では、外注企業自身の積極的な営業活動の重要性を示す結果となっており、受注企業の積極的な情報発信(企業名簿等への掲載、各種展示会への出展を含む)が重要であることがうかがえる。
 また、「公社(協会)からのあっせん」、「公社(協会)開催による商談会への参加」を含めると20%近く占めており、公社事業についても情報収集の手段として活用されていることがうかがえる。【グラフ5】
          


5.インターネット利用について
【グラフ6】ホームページでの発注情報公開について
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  ホームページでの発注情報の公開については全体的には9.0%にとどまっているが、前回調査(4.5%)からみて徐々に増えている。 


【グラフ7】購買・資材調達のインターネット利用について

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  今後も増加するものと思われるが、現在の仕様の多様化、製品の短サイクル化等の状況で発注情報を公開することの難しさがうかがわれる。なお、購買、資材調達にインターネットを利用する企業は17.0%(前回調査13.5%)となっており、自社情報の公開は難しいものの、情報収集の手段としてインターネットが徐々に活用されつつあることがうかがわれる。

 

本調査についてのお問合せは、企画情報課(E-mail:office@kyoto-kosha.or.jp)まで

 

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