平成11年度第1回(上期)発注企業動向調査結果


公社では、公社に登録する発注企業の動向を把握し、情報として提供することで、より効果的な受注活動等の促進を図り、あわせて公社における取引あっせん業務の円滑化を図るために、発注企業動向調査を実施いたしました。(調査時期:4月末、回収締切:5月末)
調査対象企業
機械金属関連 148社
調査回収企業数 111社(回収率:75.5%)
概要は、以下のとおりです。


1.売上状況について及び今後の売上額の見通しについて
【グラフ1】 10年度の「下期」と「上期」の売上額の比較



【グラフ2】10年度の「下期」と11年度の売上額の見通し



 10年度の「下期」は、「上期」と比較して、全体で「減少」が「増加」を27ポイント上回っており、 引き続き厳しい状況が続いている。【グラフ1】

 しかし、前回の調査結果と比較すると、「減少」した企業は減り(22.4ポイント)、「増加」した企業が増える(12.6ポイント)など改善の傾向も見られる。

 今後の売上見通しについても、過去の調査において、「下期」は期待感を含めて増加するとの回答が多くなる傾向があり、今回も、全体では「増加」が「減少」を上回っているが、総じて慎重な見通しとなっている。【グラフ2】


2.外注状況について及び今後の外注額の見通しについて
【グラフ3】11年度の「下期」と「上期」の外注額の比較



【グラフ4】10年度の「下期」と11年度の外注額の見通し



<グラフ3><グラフ4> 10年度の「下期」は、「上期」と比較して、全体で「減少」が「増加」を35ポイン上回っており、受注企業にとって厳しい状況が続いていると見受けられる。【グラフ3】

今後の外注見通しについても、前述の売上状況と比較すると減少割合がさらに大きくなっており、外注企業の選別が進む中で、受注企業にとって、厳しい状況が続いているものの、改善の傾向も見られる。


3.外注企業に望む能力について
(1) 品質について外注企業に望むこと

「要求どおりの加工精度」との回答が最も多く、次いで「バラツキのない品質安定度」「検査体制の強化」となっている。 発注企業は、受注企業に対して厳正な品質検査体制の強化を求めており、受注企業にとって、品質保証体制の整備が受注確保のための大きな課題となっているようである。

(2) コストについて外注企業に望むこと

「発注内容に応じたコスト対応」との回答が最も多く、次いで「市場価格への対応」「VE/VA提案によるコスト提案」となっている。 発注企業のコスト削減が進む中で、受注企業にも厳しい要求が続いているものと予想され、資材取引における今後の変化に対応するためにも、受注企業自身、原価低減も含めた提案型企業への脱皮が急務である。

(3) 納期について外注企業に望むこと

「状況に応じた柔軟な納期対応」との回答が最も多く、次いで「納期管理、在庫管理能力の強化」となっている。 受注企業に対して、より小回りの効く、フレキシブルな対応が求められているようである。


4.新規外注先企業を探す場合の情報収集の方法について
【グラフ5】*重複回答(回答計数 175)
●グラフの項目
ア.下請企業からの営業活動 イ.公社(協会)からのあっせん  ウ.テクノフェア等の各種展示会見学  エ.情報誌、企業名簿等からの情報収集  オ.説明会を開催し、資材調達情報を公開  カ.インターネットホームページで資材調達先を公募  キ.公社(協会)開催による商談会への参加  ク.その他
「下請企業からの営業活動との回答」が32.0%と最も多く、ついで「情報誌、企業名名簿等からの情報収集」が20.6%、「公社(協会)からのあっせん」が14.3%となっている。
【グラフ4】

現状では、受注企業自身の積極的な営業活動の重要性を示す結果となっており受注企業の積極的な情報発信(企業名簿等への掲載を含む)が重要であることがうかがえる。 また、「公社(協会)からのあっせん」、「公社(協会)開催による商談会への参加」を含めると20%を超えており、公社事業についても情報収集の手段として評価されていることがこの調査結果からうかがわれる。


5.インターネット利用について
【グラフ6】ホームページでの発注情報公開について



【グラフ7】購買・資材調達のインターネット利用について



ホームページでの発注情報の公開については全体的に4.5%とどまっている。 このことからも、現在の仕様の多様化、製品の短サイクル化の現状で発注情報を公開することの難しさがうかがわれる。【グラフ6】

なお、購買、資材調達にインターネットを利用する企業は13.5%となっており、自社情報の公開は難し いものの、情報収集の手段としてインターネットが利用され始めていることがうかがわれる。【グラフ7】

 

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