平成10年度第2回(下期)発注企業動向調査結果

 

調査対象企業

公社に登録する機械金属関連発注企業 148社 ※回収率:60%

内訳:金属性品17社(19%)、一般機械26社(29%)、電機機器24社(27%)

輸送用機器8社(9%)、精密機器14社(16%)

資本金別回収企業従業員別回収企業

概況

売上及び外注状況ともに減少したとする企業が増加を60ポイント以上も上回り、今後の見通しについても非常に厳しい見方をする企業が多い。

過去の調査において、同一年度の上期と下期を比較した場合に、下期には年度末需要への期待感も含めて増加とする回答が一般的であったことを考えると、今後に対する不安感の高まりが見受けられる。

売上額と外注額の時系列推移(比較DI)について、売上額は−62、外注額は−61と、バブル崩壊直後に匹敵する。

なお、過去に最も悪い結果であった平成5年度はバブル崩壊の影響や、それに伴い設備投資額が前年比マイナスになるなどの、製造業にとってのマイナス要因がある程度は明確に身受けられ、また、多くの企業に体力的余力もあったと思われる。

しかし、現在は先行きのまったく見えない状況の中で企業の体力も相当に低下しており、正に予断を許さない状況であると推測される。

 

売上状況及び今後の見通しについて

※今年度上期:'98.4〜9 今年度下期:'98.10〜'99.3

今年度の上期と下期の比較(グラフ1)

今年度の上期と下期の比較では、「減少」が「増加」を62ポイントも上回るなど厳しい状況。

(グラフ1)

この傾向は精密機器では若干、緩やかになっているものの各業種とも共通しており、全業種において厳しい状況であるといえよう。なお、精密機器においては医療用機器及び分析機器関係が「増加」としているものの、同じ業種であっても「減少」とする企業があるなどバラツキが見られる。

今年度の上期と前年度同期の比較でも、「減少」が「増加」を68ポイント上回る。特に輸送用機器では「減少」が100%をしめるなど非常に厳しい。(グラフ2)

今年度の上期と前年度同期の比較(グラフ2)

今年度の上期と比較した下期の見通し(グラフ3)

今年度の上期と比較した下期の見通しについても「減少」とする企業が多く、「増加」を25ポイント上回る。(グラフ3)

過去の調査において、同一年度の上期と下期を比較した場合に、下期には年度末需要への期待感も含めて増加とする回答が一般的であったことを考えると、今後に対する不安感の高まりが見受けられる。なお、下期の見通しで「増加」とした企業は重電関係、医療用機器関係で、業種にバラツキはあるが、もともと力のある大手の優良企業である。

 

外注利用状況及び今後の見通しについて

売上の状況と同じく、外注利用状況も厳しいものとなっている。(グラフ4)

今年度の上期と下期の比較では、「減少」が「増加」を61ポイントも上回る。精密機器では「横ばい」が43%と多いものの、各業種とも共通して「減少」との回答が目立ち、全業種において外注企業は厳しい状況にある。

今年度の上期と下期の比較(グラフ4)

今年度の上期と前年度同期の比較でも、「減少」が「増加」を64ポイント上回る。(グラフ5)

今年度の上期と前年度同期の比較(グラフ5)

今年度の上期と比較した下期の見通しについても「減少」とする企業が多く、「増加」を30ポイント上回る。これは売上見通しの25ポイントよりも多く、今後も外注企業にとって厳しい状況が続くことがうかがわれる。(グラフ6)

今年度の上期と比較した下期の見通し(グラフ6)

 

売上額と外注額の時系列推移について(売上額と外注額の比較DI)

過去最悪の結果となった。

(同一調査項目があり、比較DIのグラフ作成ができる平成4年度調査以降)

売上額は−62、外注額は−61と、バブル崩壊直後に匹敵する。(グラフ7)

時系列景況推移表(売上額と外注額の比較DI)(グラフ7)

なお、過去に最も悪い結果であった平成5年度はバブル崩壊の影響や、それに伴い設備投資額が前年比マイナスになるなどの、製造業にとってのマイナス要因がある程度は明確に見受けられ、また、多くの企業に体力的余力もあったと思われる。

しかし、現在は先行きのまったく見えない状況の中で企業の体力も相当に低下しており、正に予断を許さない状況であると推測される。

 

インターネットの利用について

ホームページについては、全体の37%が開設している。(グラフ8)

ホームページの開設(グラフ8)

ア.開設している イ.開設していない ウ.検討中 エ.予定はない

しかし、発注情報のホームページでの公開は2%と少なく、ノウハウの流出を防ぐ意味とともに、現在の多品種少量生産で短納期の製品を情報公開する難しさがうかがわれる。(グラフ9)

発注情報の公開(グラフ9)

ア.公開している イ.公開していない ウ.検討中 エ.予定はない

なお、購買調達にインターネットを利用する企業は13%となっており、自社情報の公開は難しいものの、カタログ製品や外注企業の検索などについて、少数派ながらインターネットなどが利用される場合もあるようだ。(グラフ10)

購買調達へのインターネット利用(グラフ10)

ア.利用している イ.利用していない ウ.検討中 エ.予定はない

電子メールについては42%の企業が利用しており、個人的な情報収集も含めて普及しつつある様子がうかがわれる。(グラフ11)

電子メールの利用について(グラフ11)

ア.利用している イ.利用していない ウ.検討中 エ.予定はない

 

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