ビジネス特許の取得
 現在構想中の新規事業の内容は、これまでにない画期的な事業の仕組みであると自負しています。知人から、同業者や大手が参入する前に特許を取得しておくべきとアドバイスされましたが、実のところビジネス特許についてよく判りません。
 また、単にビジネスの仕組みが新しいだけではだめで、コンピュータを用いていないと不可とも聞いたこともあるのですが、特許取得の要件等について教えてください。




 ビジネス特許が話題となったのは、やはり米国が先行して特許の対象とし始めたからですが、日本の場合には特殊な事情がありました。
 日本の特許法では、特許の対象である「発明」を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」(第2条第1項)と定義しています。例えば、ノーベル化学賞を受賞された田中耕一さんの質量分析装置の発明(特許第1769145号)は、レーザーによる加熱という自然法則を利用しています。しかし、例えば「ある銀行口座への振り込み人を明確化する」(特許第3029421号「振込処理システム」)という発明の場合、一見すると自然法則を利用しているようには思えません。
 しかし最近は、銀行や証券会社において高度ネットワークシステムを利用した口座管理や高等数学を利用した投資商品等の開発が進んでいます。そのような研究・開発の成果が特許で保護されず、他社も自由に利用できるとなると、開発意欲がそがれます。そこで、特許庁では上記特許法の規定との整合性を考えた結果、「ある課題を解決するために、コンピュータのハードウエア資源を用いて処理を行うなどの要件を満たすものであれば、ビジネス関連発明か否かに関わらず、ソフトウエア関連発明として特許の対象になり得る」という基準を作りました。つまり、コンピュータやインターネット等を用いていれば、「自然法則を利用した」という条件が満たされるとしたのです。従って、ビジネス特許を出願する際には、まずは何らかの形でコンピュータやインターネットを使用するような形にする必要があります。
 次に、ビジネス特許は制度上は通常の特許と変わるものではなく、従来と同様に進歩性の要件を満たす必要があります。審査基準では、従来人間が行っていた方法を単にコンピュータやインターネットを使って自動化・高速化・広域化したに過ぎないものは進歩性が無いとされています。そこで、ビジネス関連発明を単に出願するだけでなく、本当に権利として確保するためには、この進歩性の要件を満たすために、当業者が思いつかない工夫を盛り込む必要があります。
回答者:弁理士 小林 良平

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