特許と実用新案はどう違うのですか?
 特許で出そうか実用新案で出そうか迷っています。 どうすべきでしょうか?
 また、実用新案に関する法律が大きく変わったそうですが、そのポイントは何ですか?




 「実用新案権」は、「特許権」の保護対象となる発明ほど高度なものでない“考案”を保護対象としています。また、“物品の形状、構造とその組合せに係るもの”(物件)に限定され、特許権と違って“方法(製法、生産管理方法)や物質等”は対象になりません。
 保護期間は原則として、出願の日から6年間となっています。

 もう少し詳しく説明しますと留意点は次のようになります。
 1.対象が物件であれば、特許と実用新案の両者が対象になり、判断基準はそれが高度であるかどうかによるとなっていますが、高度かどうかの判断は実際には抽象的で判断に困る所です。結局、出願者の主観に委ねることになります。
  (なお、費用はかさみますが特許と実用新案の両者の二重出願というのも認められています。もちろん二つ目の登録の前にいずれかの登録を放棄する等の制約があります。 実用新案を先ず出願して早期に権利化し、特許でも認められそうなら、特許権が設定登録される前にこの実用新案を放棄するなどの方法も考えられます。)
 2.技術革新の進展加速化と製品のライフサイクル短縮化に対応して、早期権利保護への対応ニーズが強まり、平成5年大改正(平成6年1月1日施行)が実施されました。
   その要点は、新規性、進歩性等の実体審査を行わず、登録を受けるために必要とされる一定の要件(基礎的要件)を満たしているかどうかだけを判断して権利付与を行うようになりました。これにより、従来権利化まで2年以上かかっていたのが、3−4ヶ月に短縮されました。但し、その存続期間はライフサイクルの短い商品を保護する趣旨から6年と短縮されています。(特許権は出願から原則20年)
 3.「実用新案権」は実体審査を経ずして登録されるので、本来登録されるべきでないものまで登録される恐れがあります。そこで実用新案法では、実用新案権者が権利行使する場合には相手方に対して“実用新案技術評価書”を提示して警告しなければならないとしています。 これは実用新案権者に適切な権利行使をさせ、相手方には客観的な判断資料を提供し、無用な紛争を防ごうという趣旨からです。
 4.以上が一般に言われていることですが、大改正後の実態を見ると、大幅に出願数が減っています。これは「実用新案権」の登録はなるほど簡単ですが、権利を行使しようと思えば「特許権」より簡単とは言えず、権利期間の短さ等から敬遠されてきたと思われます。
   迷った時は「特許」で出した方がよいでしょう! 将来的には特許に一本化されるかも?
回答者:(財)京都産業21 経営支援相談員 江川 宗治

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