労働組合が結成された
 当社は従業員数12名のソフトウエア制作会社ですが、このたび従業員の一部が労働組合を結成したとして、「団交申入書」を社長の私に手渡してきました。どうしたらよいでしょうか ?




 労働組合を結成することは、憲法上保障された労働者の権利であり(憲法28条。労働基本権)、これを具体的に保障するために労働組合法が制定されています。労働組合法7条は使用者による以下の行為を不当労働行為として禁止しています。
 @労働者が組合員であること、組合を加入結成すること、正当な組合活動をしたことを理由として解雇などの不利益処分をおこなうこと
 A労働組合との団体交渉(団交)を正当な理由なく拒むこと
 B労働組合の活動に支配・介入すること
 具体的に禁止される行為の例を挙げると、未加入の従業員に組合に入らないように勧めること、新規採用者に組合に加入しないよう誓約させること(黄犬契約という)、あるいは組合に入っている者に脱退を勧めること、組合委員など組合活動に従事する者を、不当に解雇・出向・遠隔地配転や賃金賞与の差別などをして不利益に扱う人事をおこなうこと、十分に誠実な交渉をしないまま団交を拒否すること、などが挙げられます。
 もし、これらの禁止行為を使用者が行えば、労働者・労働組合は、各都道府県にある地方労働委員会(地労委)に、「不当労働行為救済命令申立」「あっせん申立」などの申立を行うことができます。
 この申立は、裁判・調停と非常に近い制度で、かつ労働組合・組合活動の適正な保護を目的として、非常に迅速に審理を進める制度で、使用者にわずかでも労働組合法違反の行為があれば、厳しく是正するよう命令が出されます。命令に対しては労使とも不服申立が可能ですが、地方労働委員会で出された命令は即時に発効するので、例えば労働者の解雇・出向が無効という命令が出されれば、不服申立による最終結論が出る以前に職場復帰させたり遡って未払賃金の支払をする義務が生じます。万一地労委段階で敗訴すれば使用者に対するダメージは強烈ですが、申立をされただけでも対応する労力は膨大で、それに追われて本業がおろそかになってしまう事態もおこりえます。弁護士に手続遂行を依頼することも不可欠になるでしょう。
 日常、使用者側に、労働組合を忌避するような発言・態度・行動があったり、あるいは労働基準法などに違反している点での組合からの団交申入を拒否したりすると、それを採り上げられて、地労委で敗訴する可能性は非常に高くなります。
 突然労働組合が結成された場合は未経験の経営者は困惑する人が大半です。不慣れではあっても動揺して不用意な発言をしたりせず、本で勉強したり、専門家に相談するなどして、今後は、経営陣の日常の言動や、労働者の待遇、就業規則の運用など、以前のナアナアの状態では通用しないものと考え、直ちに頭を切り替えて、くれぐれも慎重な対応をはかるようにする必要があります。
回答者:弁護士 西村 幸三

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