ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2015-2(No.108)

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クリエイティブ京都M&T 2015-2(No.108)

㈱で作り出したダチョウ由来の抗体を用いて、さまざまな製品や食品を開発しています。現在、兵庫県でダチョウ500羽を飼育し、抗体の大量生産体制を確立するとともに、オーストリッチファーマ㈱で開発した抗体はすべてインドネシアの施設で感染実験を行い、その有効性や安全性を確かめています。 ダチョウ由来の抗体の精製に成功した当初、社会では鳥インフルエンザや新型インフルエンザが猛威を振るっていたことから、まずはこれらのウイルスを無害化する抗体の開発から着手しました。このウイルス抗体を染み込ませた防御用マスクを医療従事者向けに販売したところ、大ヒット。社会からの関心も高まったため、季節性インフルエンザウイルスを不活性化する抗体を作り、一般向けマスクも販売しました。この抗体マスクは、平成21年度産学官連携推進功労者表彰で文部科学大臣賞を受賞しました。続いて、ウイルス抗体を染み込ませた空気清浄機用フィルタも開発しました。 オーストリッチファクトリー㈱では、こうした物品だけでなく、納豆のタレやしょう油などに抗体を入れた食品など新製品を次々に開発、販売しています。ダチョウ抗体を用いて機能性化粧品を開発 ダチョウ由来の抗体は、実に多様なウイルスや病原菌を防いだり、治療したりできる可能性を秘めています。オーストリッチファーマ㈱では、今回採択された事業を利用し、抗体の新たな可能性を探っています。その一つが、ダチョウの抗体を用いた機能性化粧品の開発です。アトピーやニキビが悪化する一因とされる黄色ブドウ球菌の毒素を抑える抗体を精製。それを配合したローションやクリーム、洗顔料などの化粧品を開発し、販売しています。 さらにこのほど、エボラ出血熱のウイルスを不活性化する抗体をダチョウの卵から大量生成することにも成功しました。カイコの細胞で作製したエボラウイルスを抗原としてダチョウに投与。ダチョウの体内で生成された抗体を卵黄から抽出、精製しました。2014(平成26)年12月には、海外の空港でこの抗体を用いた防御用スプレー剤の販売を開始しました。西アフリカを中心に感染の脅威が世界に広がるエボラ出血熱。こうした製品を通じて、感染防止に貢献したいと考えています。 それ以外にも糖尿病や食中毒、がんなど、身近な病気を防ぐのにダチョウ抗体を役立てたいと思い、さまざまなテーマで新たな抗体開発を進めています。海外市場へも展開し、世界の人々の健康に貢献したい 開発した製品は、オーストリッチファクトリー㈱が中心となって販売しています。抗体市場が日本のみならず世界規模で拡大している現代、オーストリッチファクトリー㈱も海外展開を視野に入れています。2014(平成26)年8月には、マーケティングを兼ねてシンガポールでも販売を開始しました。ここを拠点に、中国や東南アジアといった成長著しいアジアの国々へも販売網を広げていくとともに、ダチョウの抗体を人類を苦しめるさまざまな病の克服に役立て、世界の人々の健康に貢献していきたいと考えています。お問い合わせ先(公財)京都産業21 連携推進部 産学公・ベンチャー支援グループ TEL:075-315-9425 FAX:075-314-4720 E-mail:sangaku@ki21.jpシリーズ「イノベーションの風」―オーストリッチファーマ(株)/オーストリッチファクトリー(株)世界初・ダチョウ由来の抗体を用い機能性化粧品の開発を実現ダチョウの抗体を配合したローションや洗顔料を開発Management & Technology for Creative Kyoto 2015.2 6