ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2015-2(No.108)

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クリエイティブ京都M&T 2015-2(No.108)

ています。特にパート社員については、「長く勤めてもらうためにはどうしたらよいか」ということを常に念頭に置いて考えており、そのための工夫として、フルタイムでの勤務が可能になり、3年が経過して上司が許可すれば「正社員」に登用するという制度を10年前から採用してきました。本制度によりパート社員から正社員になり現在も在籍している従業員は、全女性従業員中33%にものぼります。なお、派遣社員では人員の入れ替わりもあり技術の伝承が難しいので、当社では派遣社員の受入は行っていません。■育児休暇後の職場復帰の奨励 育児休暇期間中の戦力ダウンを一定期間乗り切るのは現実問題として大変苦しいですが、当社では従業員の育休取得後の職場復帰も奨励しており、育休後職場復帰して現在も在籍してくれている従業員が、全女性従業員中13%います。取り組んでいるモノ=「システム化」と「見せる化」 ここまで、現場力の維持について紹介してきましたが、これだけではまだまだ海外の低価格に対抗することは難しく、多品種少量生産に特化するとともに、さらにQCDを追究するために推進しているのが、「システム化」と「見せる化」です。■システム化 当社では、多品種少量生産に対応するため現場力の維持だけでなく併せて効率的な生産システムの構築に向けて様々な工夫をこらしています。当社の生産システム(図)の構築には長い歴史があり、受発注のシステムは30年以上前にオフコンを採用したころまでさかのぼりますが、その後1993年頃から自前で構築し始めた社内ネットワークシステムとパソコン等ハードウェアの低価格化、そしてタブレット端末の出現により飛躍的に進みました。 自前で構築している主なシステムは図のとおりですが、これらはそれぞれデータベース化された情報に基づき、相互に関わって運用されています。今後もまだまだ課題や改善の余地があり、人材育成と現場力向上、実装技術や生産技術の改善と併せて精進してまいります。■見せる化 当社は、「見える化」ではなく「見せる化」をキーワードに取り11 Management & Technology for Creative Kyoto 2015.2はじめに 当社は、プリント基板実装を主な業務とする中小企業で、今年、創業50周年を迎えることになりました。当社の看板は、「多品種少量生産」で、月間800種類以上のプリント基板製品の実装をしています。4ラインある実装ラインでは毎日十数回の段取り替えが必要になることもあり、管理面でもシステム的にも多品種少量生産に特化した自前の仕組みを構築しています。 実装・ものづくりの世界では、グローバル化という名のもと製造工場の海外シフトが進むなか、国内の小規模な実装メーカーでは試作に特化したり、多品種少量製品の受注など品質と技術力の高さを売り物に競争せざるを得ない状況となっています。ただ、海外の実装技術といえども、特に品質問題が発生した場合の解析や対応に時間を要するなど課題も多く見受けられ、これがネックとなり国内回帰の動きも一部では見られるようになってきています。 特に計測機器や産業機器の多品種少量生産分野では、設備はもちろん、マニュアルや標準化をいくら進めても高品質の生産を維持することは困難であり、結局は現場の優秀な作業員のスキルに頼らざるを得ず、実装技術の技能伝承が非常に重要なカギとなります。大切にしているモノ=「現場力」 海外の安価な現地生産に対抗するためには、価格競争に持ち込まないためにも多品種少量は当然として、小型化、高機能化、高品質といった要求に応えていくことが求められるので優秀な現場力の維持が必要不可欠となります。しかし、当社のような中小企業では優秀な実装技術者を多数抱えることは不可能であり、多品種少量生産に対応するためには、OJTを中心とした作業員のスキルアップしか方法はないと考えています。計画的な人材の育成のためには現場での技能伝承・維持は大変重要で、様々な工夫をこらしながら取り組んでおり、その代表例を紹介します。■パート従業員の正社員化 新卒者の採用のほかに中途採用でパート社員を募集することがありますが、採用時には応募者の多様なニーズに応えるため、フルタイムではなくパートタイムでの勤務希望者も採用し双和電機株式会社京都発! 我が社の強みhttp://www.sowa-denki.co.jp/社内(工場)で収集したヒト、モノに関するデータを社内サーバにつなげて、「インターネット・オブ・シングス」(IoT)で実装工程を効率化する技術・ソリューションを構築し、「多品種少量生産」に果敢に取り組む技術集団、双和電機株式会社の宮下社長にお話を伺いました。現場力と、システム化で生き抜く!!