ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2015-1(No.107)

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クリエイティブ京都M&T 2015-1(No.107)

15 Management & Technology for Creative Kyoto 2015.1お問い合わせ先京都府中小企業技術センター 基盤技術課 材料・機能評価担当 TEL:075-315-8633 FAX:075-315-9497 E-mail:kiban@mtc.pref.kyoto.lg.jp相談事例・業務紹介材料加工、材料(新素材、金属、樹脂、窯業など)に関する機能評価(材料の強度・硬さ・耐久性、元素組成、形状状態、内部欠陥等)の技術相談、依頼試験・機器貸付及び研究等の支援を行っています。材料・機能評価担当の業務を紹介します金属や樹脂などの工業材料は、自動車、携帯電話など、様々な電化製品や設備の中の構成部品として多く用いられていますが、製造過程や使用・管理上の問題で使用中に割れ・破損等の不具合が発生することがあります。この破損原因を調べ、壊れにくくするための有効な対策を講じるために、様々な試験(強度、形状、硬さ、分析)を実施しています。相談事例1(強度試験、金属組織観察) 器具を固定しているボルトが使用中に破断する事例が発生し、原因調査の相談がありました。 ボルト破面の目視および電子顕微鏡観察から疲労破壊であることが認められ、念のため引張強さを試験したところ規格値より若干低い数値でした。 そこで、金属組織観察をしたところ表面に炭素の少ない層(脱炭層)が見られました。ボルト製造時の熱処理雰囲気が不適切で脱炭を起こし、ボルトの疲労強度が低下していた事が原因とわかりました。相談事例3(微小部の硬さ試験) 電化製品の構成部品の一つに不具合が発生しました。部品は半導体素子で、サイズが小さく、構成膜も多層で薄い素子の特性を評価する方法について相談がありました。素子の構成膜(パシベーション膜)の成膜条件を変えた後の不具合発生のため、素子特性として、ナノインデンテーター試験機で微小部の硬さを調べました。不具合品と良品で硬さが異なる(良品>不具合品)ことがわかり、薄膜の成膜条件を変えたことによる膜組成の違いで、硬さが異なった可能性があることがわかりました。相談事例2(元素分析) パッケージ内箱印刷表面に断続的なスジ状汚れがある旨クレームがあり相談を受けました。 汚れの原因を調べるために、汚れの構成元素を電子線マイクロアナライザー(EPMA)で分析しました。分析の結果、印刷・打抜工程で使用された素材元素は観測されず、印刷・打抜工程以外で発生していることがわかりました。別工程へ観測範囲を広げたところ、内箱の梱包作業中に付いた可能性があることがわかりました。成膜条件の異なる膜の微小部の硬さ測定結果技術相談や依頼試験、機器の利用については、随時受け付けています。材料・機能評価担当では、機能性表面材料や環境に優しい材料の研究の他、DLC製膜技術研究会、ものづくり基盤技術セミナー、京都陶磁器釉薬セミナーを開催し、ものづくり技術、新材料、セラミックス材料の最新動向や注目の技術について情報提供を行っています。※平成26年度に、促進性耐候性試験機、疲労試験機、グロー放電発光分析装置が新規導入されます。主な適用機器定型材料の品質確認壊れる部品の破損要因解析技術の改善・改良破損状態品質