ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2015-1(No.107)

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クリエイティブ京都M&T 2015-1(No.107)

上海代表処だより Vol.24  上海代表処の活動も開設から5年目に入っています。この間に中国と日本の情況は大きな変化の連続であったかと思います。振返ってみますと、2010年の上海万博開催の年に代表処が開設され、日中関係も良好な状態で、中国での事業展開を積極的に検討しようとする企業も多数ありました。2012年9月には日本政府が尖閣諸島を国有化した事が問題視され、日中関係が大幅に悪化しました。この結果、中国への進出に対して消極的な企業が増えました。2013年からは、情況は徐々に回復し、国家間は別として最近では中国側も経済、文化交流等を中心に積極的に改善しようと活発に活動しています。 経済規模においては、2010年に日本と同規模のGDPに到達しましたが、現在では既にその2倍の規模になっています。また、この間、高速鉄道網や空港などのインフラの整備も目覚ましく、地方への移動も非常に便利になりました。最低賃金を上昇させ、内陸の各省、都市の開発を大々的に実行して来ているため、社会も様相が大きく変化し、大気汚染の悪化、労働力不足などが急速に起こって来ているだけに、企業、個人にとってもそれに対応する事が大きなプレッシャーとなっているようです。 しかし、プラス面と捉えると、日本にとって、隣国中国のこの大変化は、様々な分野で大きなチャンスをもたらすと思われます。①量的拡大一辺倒から、量の拡大と質の追求へ、ニーズが移行しています。?日本の高品質な商品、製品が広く求められるようになって来ました。?高額商品は日本で買って頂き、実用品は食品から装飾品、衣服に至るまで日本製を売込むなど、それぞれ最適な販売方法を選択し実施すれば、成功への道が開けるようになって来ています。②日本が蓄積してきた経験、技術、ノウハウが、中国で必要になって来ています。?単なる物の交流だけではなく、サービスを含む、無形の資産を中国に売込む事が出来るようになり、多くの中国企業がそれを求めています。従って今後は直接投資をして、一から事業を構築する必要がなく、相互に得意分野を持ち寄り協業して行くと言う事業モデルが十分に成り立つようになって来ています。③文化、観光などの交流も中国の地方政府は注目しており、活動機会が増えています。?経済交流だけでなく、人の交流を含むこの様な活動は「百聞は一見に如かず」の効果が大きく、双方の相互理解を促進する為に必要不可欠になっています。双方とも実際に相手国を訪問する前と後では大きく理解度が変わり、その後の諸活動に好影響を及ぼしています。④投資もかつては日本からの投資が主流でしたが、今後は中国側の投資を利用して、市場開拓する事を検討できる時代になって来ています。?経済規模も日本より大きくなり、アメリカと同規模になりつつある中、中国は海外への投資にも積極的になっています。日本にも投資をしたいと考える中国の企業、個人が、ここ1年で非常に多くなっているように感じられます。?中国からの投資で、商品開発、製造を日中双方で促進して、広大な中国市場を共に開拓するという考えも、相互の得意な分野で実力を発揮し、共に発展して行くという施策の一つとして検討する価値があるように思います。これは製造業のみならず、サービス業、農業に至るまで、同様の取組み方ができます。今後はこうした変化に合わせ、中国への、あるいは中国での取組み方について柔軟に対応できるように、準備して行きたいと考えています。色々と皆様のご意見をお聴きし、より役立つ情報の提供と、支援活動を展開したいと思っておりますので、本年も宜しくお願いいたします。上海代表処 2015年の正月を迎えてだよりvol 24上海代表処お問い合わせ先(公財)京都産業21 事業推進部 市場開拓グループ TEL:075-315-8590 FAX:075-323-5211 E-mail:market@ki21.jp藤原 二郎公益財団法人京都産業21 上海代表処首席代表13 Management & Technology for Creative Kyoto 2015.1