ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)
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クリエイティブ京都M&T 2014-12(No.106)
FA事業とロボット事業の両輪で工場の自動化に貢献 スキューズ株式会社は、1997(平成9)年にFA(ファクトリーオートメーション)のシステムインテグレータとして独立開業して以来、工場の生産自動化に関わるさまざまな制御ソフトウェアを開発・設計してきました。現在、設備制御・計装から制御システムの保守、生産管理システムまで、ものづくりのあらゆる工程でソリューション(課題解決のための製品・サービス、手法)、および制御ソフトウェアを提供しています。 いまやあらゆる工場でオートメーション化が進んでいると思われがちですが、実は製造現場では、依然として組み立てや移載など多くの作業を人間が担っています。さまざまなFAに携わる中でそうした現状を目の当たりにしたことから、新たにロボット事業への参入を決意。「世の中にあるものは買う。ないものは創る」という信条のもと、独自のロボット開発に乗り出しました。以来、システムインテグレータ事業とロボット事業という二本柱で事業を展開し、製造現場における人材不足を解決するとともに、安全な製造と高い品質の維持に貢献しています。ロボット用低圧駆動型空気アクチュエータを義手に転用※ロボット用義手アクチュエータ:空気による指の筋肉の駆動装置 ロボット事業においては、とりわけモノを積み上げ、特定の位置にまで運んで降ろすという「ピック&プレース」作業に着目。FA事業で培った制御技術、機械技術を礎に、「ピック&プレース」に特化したロボットアームを開発しています。2012(平成24)年には、世界で初めてスコット・ラッセル型の5軸サーボロボット「ASD-1100」を市場投入しました。スコット・ラッセルの直線運動機構を採用することで、より、手先の動きを精緻に制御することが可能となりました。前後左右、並行にモノを運べる5軸の搬送用ロボットとして、食品産業をはじめ、様々な製造現場で活用されています。 ロボット開発の過程では、高精度な駆動装置の開発も欠かせません。当社はこれまで、低圧駆動型空気圧アクチュエータを独自に開発するとともに、その小型化に力を注いできました。この技術を生かして5指ロボットハンドを開発し、これまでにない高機能を有する義手を製作しようというのが、今回認定された事業でした。2007(平成19)年度より、当社を中心に同志社大学、東京大学と連携しながら研究開発を開始しました。組紐編み技術を用い、小型の人工筋アクチュエータを開発 私たちのロボットハンドの新規性は、これまでにない柔軟性を備え、緻密な動きを可能にするところにあります。それを実現するために、5指に人工筋として合計22もの小型アクチュエータを内蔵することを考えました。そこで人工筋として採用したのが、スキューズが開発した低圧駆動型空気圧アクチュエータです。 この人工筋アクチュエータには、マッキンベン型の構造を選択。まず伸縮性に富む天然ゴムチューブの外周に繊維で編んだスリーブ(円筒形の外装部品)を被覆し、両端を固定。そこに圧縮空気を供給すると、天然ゴムが風船状に膨張するとともに、長手方向に収縮します。この「膨張」と「収縮」を人間の筋肉収縮の動きとして用いるのが、アクチュエータの仕組みです(※P8イラスト参照)。とりわけ困難を要したのが、天然ゴムチューブを被覆するスリーブの開発でした。京都の伝統的な組紐編みの技術を発展させ、単繊維構造の糸と複数繊維構造の糸を組み合わせて、製品化に成功しました。最適な「膨張」と「伸縮」を実現する編み方、打ち数を見出すまでは、試行錯誤の連続。その結果、綿棒やにぎり寿司のような、小さく、しかも柔らかいものを潰すことなくそっとつかんで運ぶことので7 Management & Technology for Creative Kyoto 2014.12スキューズ(株)は、平成19・20年度「環境産業等産学公研究開発支援事業」に採択され、同志社大学、東京大学と連携し、エアーマッスル(空気駆動の筋肉)を用いた高機能義手の実用化に取り組みました。今回、スキューズの市川 裕則氏からお話を伺いました。Wind ofinnovationイノベーションの風 第10回企業連携・産学公連携による研究開発補助金を活用しイノベーション創出を目指す中小企業を紹介します。スキューズ株式会社C o m p a n y D a t a代 表 者/清水 三希夫所 在 地/京都市南区吉祥院新田弐ノ段町106電 話/075-694-0101資 本 金/3億8,228万円創 業/1997(平成9)年10月[法人設立2002(平成14)年4月]事業内容/FA事業:制御系ソフト設計開発、実機調整、画像処理。 ロボット事業:システム・機器開発、アクチュエータ開発、製造。 ソリューション事業:人手作業の代替となる省力化機械の設計、製造。代表企業同志社大学、東京大学連携大学スキューズ株式会社 常務取締役 市川 裕則 氏取 材ロボットハンドのプロトタイプ