ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)
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クリエイティブ京都M&T 2014-12(No.106)
お問い合わせ先(公財)京都産業21 京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクト推進センター TEL:075-315-9061 FAX:075-315-9062 E-mail:koyop@ki21.jpManagement & Technology for Creative Kyoto 2014.12 6京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクト一周年記念フォーラムも開発力や製造力がなければ、持続的成長に必要な利益を得ることはできません。そして最も大きな課題は、変化し続けるマーケットに、人や設備といった固定した資産でもって、どのように対処するかということでしょう。少しでも対応が遅れると、モノが売れなくなり、競争力もなくなります。つまり企業は、常にマーケットの変化を意識しながら、その変化に対してどのように対応するのかを考え、準備しなければならないのです。その準備こそが研究開発であり、開発したものを利用したものが新規事業です。新規事業も必ずしも成功するものではないですから、どうすれば成功するかということを、必死になって考える必要があります。 少し違った切り口から考えると、持続的成長のためには、自社を取り巻く環境の変化に対応することも大切です。例えば日本の電気機器産業が衰退した要因としては、基本技術がアナログからデジタルにシフトしたことや、グローバル環境の変化が挙げられます。環境の変化に即応し、事業のポートフォリオをいち早く変更した企業と対応が遅れた企業との明暗が大きく分かれました。このことからも、何があっても生き延びていくとするならば、今の状況の中で何をすべきかを考え、変化をチャンスに変えていくことが重要だと言えるのではないでしょうか。新規事業創造の成功には市場の見極めが不可欠 持続的成長のカギとなる新規事業を成功させるためには、具体的にどうすればよいのか。私は今後、絶えずマーケットを見て仕事をするということが、これまで以上に大事になると考えています。一般的なモノづくりの現場では、素晴らしい技術や商品を開発したものの、どのように売るか、どのように儲けるかまでは考えていないというケースが少なくないでしょう。今まではそれでもよかったかもしれませんが、これからは難しいと思います。良いモノであることが全てではないという時代になってきているからです。 そこで、新たな「モノづくり」を考える際には、ぜひ「モノ」と「づくり」は分けて考えていただきたい。「モノ」は市場ニーズを捉えた商品、「づくり」は他と差異化した製造力です。研究開発部門だけではなく、経営企画やマーケティングといった各部門の能力も結集させて、経営戦略を練る段階で考えることが肝要なのです。新事業創造の成功には、市場ニーズを的確に捉え、内外の力を結集したものづくりが、今後求められます。 このトータルマネジメントの手法は、個々の組織・人の活力を活かす「部分最適」と、その成果を集団・全体の目標の達成に結び付ける「全体最適」という言葉を使って説明することができます。皆が全体の目標を共有しながら、全体で実行するというシステムを導入し、そのシステムの上で「部分最適」の追求力をどんどん高めていけば、必ず「全体最適」につなげることができます。これがまさに、経営の基本であり、形こそ変わりますが、私自身が本プロジェクトで実践している仕組みと考え方です。関係機関との緊密な連携、責任体制の明確化、PDCAによる徹底した予算/実績管理によって「部分最適」と「全体最適」を同時に達成していきます。 本日は、企業経営にも通用するマネジメントの手法として、本プロジェクトを動かすための仕組みやその考え方についてお話しいたしました。私の一番の望みは、プロジェクト終了後も、京都の企業が、既存事業の革新や新事業の創造を通じて人を雇用し、その人を長く雇用しながら、持続的成長を遂げることです。この講演、あるいは本プロジェクトが、その一つのきっかけになればと願っています。講演後「“京都発”産業・雇用イノベーションへの挑戦」をテーマに鼎談が行われました。ホームページで紹介していますので、ご覧ください。