ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-12(No.106)

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クリエイティブ京都M&T 2014-12(No.106)

プロジェクトの目標を大きく上回る雇用創出を実現 「京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクト」は、産業政策と雇用政策を一体的に推進し、3年間で2000人の雇用創出を目指すモデル事業として、平成25年10月にスタートしたものです。昨年度は400人の目標に対して508人の雇用創出を達成することができました。今年度は800人を目標としていますが、9月末時点ですでに750人近い雇用創出を達成しています。このような成果をあげることができたのは、プロジェクトに関わる京都府・京都市をはじめとする関係機関の皆さんの懸命な努力と、プロジェクトの支援メニューを活用いただき、新しく人材を採用いただいた企業の存在があったからこそだと思っています。心よりお礼を申し上げます。成功に向けてマネジメントシステムを導入 本プロジェクトを推進するにあたり、私が考えた「プロジェクト成功のための課題」は三つあります。一つは、「目標は雇用数」であり、「手段は各種の事業実施」であることを、いかに関係者全員にきちんと認識してもらうかということです。事業を実施することだけに重きを置いてしまい、結果は二の次になるといったことがないようにしたいとの思いがありました。もう一つは、プロジェクトの推進力は、京都府・京都市、その他の機関の総合力にあるという認識を、やはり全員に徹底することです。独立した組織がそれぞれに役割を果たしながら互いに協力し合えば、一つの組織では成し得なかったことも実現可能となります。 そして三つ目は、この2点について、単に言葉で議論するだけではなく、自然に実践できるようなマネジメントシステムをつくり、導入することによって、より確実化することです。例えば、本プロジェクトでは、月1回定例に開催するタスクフォース会議で、必ず案件ごとに、企業にいつ何人の雇用を生み出してもらうことを目標とし、どれだけの事業費を投じ、その結果はどうであったかといったことを、進行管理の統一フォーマットにまとめた上で報告してもらっています。目標に届かなかった案件については、課題や解決策について皆で議論します。こうすることによって、府や市、部門などの枠を越えて、何としてもプロジェクトを成功させようという方向に向かうことができていると感じています。 私は企業で仕事をしてきた人間ですから、企業が人材を採用するということは、どれだけの覚悟をするのかを知っています。それゆえ、スタート当初は果たして目標を達成できるだろうかと不安でしたが、結果として、実際にいろいろな成功事例が出てきています。大手企業との事業アライアンスや「技術提案商談会」を契機とした販路拡大などを通じて雇用創出につなげた例や、本プロジェクト主催の就職支援イベントにおいて、ゲームソフトやアプリの制作を手掛けるコンテンツ関連企業と若手クリエーターとのマッチングを行い、雇用を生み出した例などがあります。企業が持続的成長を果たすために 私は企業に在籍していた30数年間、常に経営者であるという認識を持って仕事に取り組み、30代のときには四つの新規事業を立ち上げました。当時から、「いったん起こした事業はできる限り長く続けなければならない」というのが持論です。消費者、従業員、投資家、サプライヤー、行政機関といった多くのステークホルダーに貢献するためにも、事業・企業ともに、絶対的に持続的成長を目指さなければならないのだと考えてきました。私が本プロジェクトの成功に向けて導入したマネジメントシステムやその根底にある考え方は、実は企業経営にもつながるものですが、特に今後、企業が持続的成長を果たすために必要とされる手法・考え方であると思っています。 持続的成長を現実化しようとするならば、まずはきちっと利益を上げ続けることが必要です。大前提として、その目的は利益そのものではなく、持続的成長を図り、ステークホルダーが幸せになることにあるのですが、実際のところ利益をあげることは非常に難しいというのが現実です。マーケットには必ず競争があり、売れたとして5 Management & Technology for Creative Kyoto 2014.12 京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクト一周年記念フォーラム西口 泰夫氏京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクト・ディレクター同志社大学客員教授博士(技術経営)元京セラ会長兼CEO一周年記念フォーラム厚生労働省の「戦略産業雇用創造プロジェクト」の採択を受け、京都府・京都市をはじめとする産学公・公労使の「オール京都」体制のもと、京都府内のものづくり産業の新事業創造と雇用創出を目指す「京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクト」は、今年10月で一周年を迎えました。これを記念して10月30日(木)、本プロジェクトの西口泰夫ディレクターによる企業の持続的発展をテーマとした講演会を開催しました。マーケットニーズをとらえた「モノ」を差異化した製造力による「つくり」で企業の持続的発展を京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクト取 材