ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-12(No.106)

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クリエイティブ京都M&T 2014-12(No.106)

お問い合わせ先(公財)京都産業21 連携推進部 企業連携グループ TEL:075-315-8677 FAX:075-314-4720 E-mail:renkei@ki21.jpManagement & Technology for Creative Kyoto 2014.12 4KIIC会員交流会2014講演録りません。先輩技術者が常に目を配り、開発が成功するよう導きます。自分の開発した製品が完成し、世に出る。そうした成功体験を通じて自信をつけることで、若手技術者は力をつけていくのです。こうした人材育成は、規模の小さい中小企業だからこそできることです。若手技術者がつまずいた時、先輩技術者がすぐに助けの手を差し伸べられる。そんなフレキシブルな組織体制が、当社の人材育成を可能にしています。信頼関係に基づく自由な意見交換が産学公連携成功のカギ また、当社の製品の中には、産学公連携によって生まれたものも数多くあります。数々の産学公連携を経験して実感するのは、「制度があるから」といった理由で無理にシーズをひねり出しても決してうまくいかないということです。ふだんからパートナーシップを築き、緊密なコミュニケーションの中で、大学の先生から「こんなものがほしい」、あるいは企業から「こんなことを考えているが、どうでしょうか」などと互いのニーズを出し合うことで、目的が明確になり、本当に世に必要とされる製品の開発も可能になります。すなわち大学や企業との信頼関係に基づく自由な意見交換と技術協力こそが、産学公連携の成功のカギだと思うのです。先進ものづくり立国へ、中小企業のチャンスは大きい 現代の日本の製造業の構造を見てみると、すでに普及した技術による大きな市場のシェアは、大企業が握っています。一方で、開発・製造に不可欠な基盤技術を支えているのは、ものづくり型の中小加工企業であり、また開発投資を伴う先端技術の開発は、多くの場合、中堅・中小企業が担っています。大企業の多くは、いまや先端技術を開発する意欲や気概がなく、こうした市場は縮小するばかりです。しかし、リスクを回避するあまり、高付加価値工業製品の開発を放棄すれば、国内の生産規模はますます縮小し、基盤技術は海外に流れていきます。たとえ革新的な発想や先進技術があっても、部品を作るための加工を海外に頼らざるを得なくなれば、国際競争力を維持することはできないでしょう。だからこそ、日本からものづくりのインフラを決してなくしてはならない。今はまさにその正念場にあると私は考えています。 日本が今後も世界で競争力を維持していくためには、大企業・中小企業が一丸となって、それまでにない製品を世界に発信する「先進ものづくり立国」へと変わっていかなければなりません。私たち中堅・中小企業の役割は、専門性を高めること。自社が得意とするコア技術を高め、各々が専門性の高い企業になる必要があります。そうした専門性の高い企業があらゆる分野に増えることで、日本全体が多様性に富んだ技術を有する国になることが重要です。 舞台に例えれば、多くの観客を集める製品を作れる主役は大手製造企業です。しかし、主役だけでは舞台は成り立ちません。主役を支える脇役たち、専門性の高い基盤技術を持った中小ものづくり企業の存在も不可欠です。さらに私たちのような加工機や測定装置を開発・製造する企業は、大道具係のような役割を果たします。主役を張る大企業、脇を支える中小ものづくり企業、そして舞台を作る中堅関連企業、すべてが一丸となって次世代に通じる新しい製品を生み出し、世界に発信していく。そうした国に日本はなるべきだと考えています。その姿は、追随するアジアの国々にとってのお手本ともなるでしょう。そう考えると、専門性を高めた中小企業の果たす役割はますます大きくなるはずです。チャンスはどの企業にもあります。私たちも皆さんと共にコア技術を磨き、チャンスをつかむためにこれからも努力していきたいと思っています。