ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-10(No.104)

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クリエイティブ京都M&T 2014-10(No.104)

医師・研究者のニーズを反映した医療器具・機器を開発 (株)ウミヒラは1979(昭和54)年、前身の海平製作所を創業し、金属切削加工から事業をスタートさせました。当初は大手電機・機械メーカーからの下請けが中心でしたが、バブル経済崩壊以降、独自商品の開発を目指して経営路線を変更。自動車のレーシングパーツの製造、次いで整形外科医から手術器具の改良を依頼されたのを機に、医療分野へ打って出ました。当時多くの医師が訴えていたのは、医療器具が使いづらいこと。当時の医療器具は輸入品が主流で、日本人にはサイズが大きすぎたためです。そこで(株)ウミヒラが一人ひとりの医師に合った形や強度の手術器具を開発したところ、業界でも評判を呼びました。これを皮切りに、整形外科のみならず、胸部外科や脳神経外科、心臓外科などさまざまな現場で用いられる手術器具を次々に生み出してきました。数多くの手術に立ち会い、また大学や医療機関との豊富な共同研究実績を持ち、医師や研究者のニーズを的確に把握できるのが、(株)ウミヒラの強みです。使いやすく、しかも安全な医療器具の数々は、医師との共同開発により可能となりました。 手術器具からさらに高度な機器の開発にも着手。とりわけ使用できる素材に制約が多く、加工に高度な技術を要するMRI関連機器の開発で多くの実績を重ねています。これまでMRIガントリ内で使用する医療ロボットやMRI対応モニタ、内視鏡鉗子、脳外科用器械などを開発してきました。加えて、日本で唯一、膵島移植手術用の実験装置類を開発し、国内外へ販売しています。さらに8年前からは再生医療分野へも進出。京都大学と共同で細胞搬送ケースを開発し、世に送り出しました。 医療機器の製造や販売においては、薬事法などで厳しい規制が設けられています。(株)ウミヒラは1999(平成11)年に医療用器具専業修理業、2002(平成14)年には医療器具の製造・販売業の免許を取得。大学や研究機関のための特殊実験装置から、医療分野で広く用いられる量産品まで、設計・開発・製造、さらに薬事法への対応まで一貫して請け負う体制を整えています。その結果、医療機器関連事業は、売上の97%を占めるまでに成長しました。生体力学・生体材料の研究実績を生かした事業を展開 堤総研(株)は、京都大学再生医科学研究所などで生体力学や生体材料の研究に従事してきた堤定美が、2008(平成20)年に設立しました。長年にわたって培ってきた研究経験や知見を生かし、生体機能の計測・評価、計測手法や器材の開発、研究や開発のコンサルティングなどを手がけています。 国際再生医療学会に招聘され、再生医療機器の国際標準化動向について講演を行うなど、見識を買われて発表する機会も数多くあります。また、経済産業省委託事業である「パーソナライズド人工関節の機能・安全性評価基準事業」委員会や、厚生労働省による「脊椎インプラント分野審査WG」の委員会のメンバーとして、ガイドライン作成に向けた報告書をまとめるなど、国の医療政策の方向性を決定づける指標づくりにおいても大きな役割を担っています。触らず、不定型なゲル状物体の硬さを測定する手法を開発 今回、連携して開発した非接触式体積弾性率測定装置、その名も「やわらか計」の最初のアイデアは、当時、堤が在籍していた京都大学再生医科学研究所での再生軟骨治療の研究から生まれました。年を重ねたり、激しい運動によって膝などの軟骨がすり減5 Management & Technology for Creative Kyoto 2014.10平成22年度「京都企業戦略的共同研究推進事業」に採択され、培養細胞などゲル状の物体の硬さを非接触で測定する装置の開発に取り組んだ株式会社ウミヒラと堤総研株式会社。発案者である堤 定美氏と、装置の製作を請け負った(株)ウミヒラの海平和男専務取締役に開発秘話を伺いました。Wind ofinnovationイノベーションの風 第8回企業連携・産学公連携による研究開発補助金を活用しイノベーション創出を目指す中小企業を紹介します。株式会社ウミヒラC o m p a n y D a t a代 表 者/海平 富男所 在 地/京都市南区久世殿城町126番地電   話/075-932-4359資 本 金/2,000万円創   業/1979(昭和54)年1月事業内容/医療機器設計・開発・製造及び販売、産業機械用部品の精密機械加工http://www.umihira.co.jp/堤総研株式会社C o m p a n y D a t a代 表 者/堤 定美所 在 地/京都市右京区太秦森ヶ前町2-4電   話/075-862-5456資 本 金/100万円設   立/2008(平成20)年10月25日事業内容/生体機能の計測及び評価、生体機能計測手法及び機材の開発、バイオメカニカルシミュレーションの受託、医療器材の開発・販売、事業運営コンサルティング代表企業連携企業(左)株式会社ウミヒラ 専務取締役 海平 和男 氏 (右)堤総研株式会社 代表取締役 工学博士 堤 定美 氏取 材すいとう