ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-9(No.103)

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概要

クリエイティブ京都M&T 2014-9(No.103)

KSR総会記念講演会では、まずC(コンセプト)とT(ターゲット)を合致させます。自社の商品がどのようなお客様に向いているのかを徹底的に絞り込むのです。ターゲットを大括りに設定してはなりません。目の前にいるお客様の詳細な需要を捉える必要があります。次に、P(プロセス)とT(ツール)を精緻に設計します。コンセプトとターゲットが合致しても、それがターゲットに伝わらなければ商品は売れないからです。Pとは、まずターゲットとなるお客様に商品を知ってもらい、次に興味を持ってもらい、最後に「おもしろい」「買いたい」という気持ちにまで持っていく段階のこと。この心理段階を明確にし、各段階にふさわしいツールを適用します。そうすれば最終的にお客様がファンになり、リピーターになるはずです。CTPTを組み立てるにあたって、CTを合致させるのは比較的容易ですが、難易度が高いのは、PT段階です。たとえばDMを発送しても反応がないと、すぐ「意味がないから止めよう」と考えがちです。しかしこれは、PTが設計できていないゆえの失敗の典型です。一足飛びに成果を求めるのではなく、まず「DMを開封してもらう」ことをプロセスの第一段階とし、そのためのツールを考えるべきです。例えば「こういうDMを届けましたがご覧いただけましたか」と後追いで電話をかければ、開封率が高まるかもしれません。そうして初めて次の段階である認知率を高め、さらに理解率、「買いたい」という意欲率、最後に購入率まで高めることが可能になります。「購入」という高い壁も、一段ずつ階段(プロセス)を登れば、最後には乗り越えられるのです。私の知る中には、この方法で20倍近く売り上げを伸ばした企業もあります。個客の心理段階を理解し、各段階に働きかけるPTを指標化し、方程式を作れば、他のケースにも応用できるようになります。成功している企業は、「告知数×反応率×来店率×購入率×単価=売上高」というようにPTの成功率を高める方程式で、売上を倍増させています。ある企業の例をお話ししましょう。販売するゴマ豆腐がテレビで取り上げられ、一時期飛ぶように売れたものの、競合企業が現れたことで売上が頭打ちになってしまいました。そこで私のセミナーを受講し、CTPTを実践した結果、1年後、販売量は倍増、翌年には4倍に増えました。この成果を指標化し、方程式にすれば、次は別の商品の販売などに水平展開していくことも可能です。厳しい現代にも成長するチャンスはある冒頭でお話ししたように、厳しい現代社会にも中小企業が成長するチャンスはあります。例えば私が「成長産業」の一つと見込んでいるのは、ロボット市場です。また「オンリーワン商品を創る」場合は、「まさかこんなものが」と思える商品を研究すると良いでしょう。「小さい市場で大きなシェアを取る」ことも効果的です。10億円の市場でも、売上高が3億円の企業なら十分な市場といえます。大手企業が参入しないようなニッチな市場が狙い目です。反面、「何でもできます」といった戦略は、逆効果です。例えばセンサ技術を持っている企業なら、イチゴの生産現場に着目し、日照量を変え、生育をコントロールするセンサを開発するなど、個客目線でターゲットとニーズを絞り込むことで、商機が生まれます。「ハイテク関連」は、新製品が誕生する可能性は高いものの、世界ナンバーワンを目指すこと、パテント競争に対応することが必須です。一方「ローテク」関連や「縮小市場」にも探せばチャンスはたくさんあります。だれも参入しないからこそ真剣に取り組めば、マーケットを独占できる可能性も高まるはずです。いずれにしても「マーケティングが不可欠」だということを忘れないでください。皆さんの企業の今後の成長に、私の話が少しでもお役にたてれば幸いです。お問い合わせ先(公財)京都産業21連携推進部企業連携グループTEL:075-315-8677 FAX:075-314-4720 E-mail:renkei@ki21.jpManagement & Technology for Creative Kyoto 2014.68