ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-9(No.103)

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クリエイティブ京都M&T 2014-9(No.103)

相談事例・業務紹介化学・環境担当の業務を紹介します工業材料等の品質管理や研究開発に必要な化学分析や機器分析を中心に、技術相談・依頼試験・機器貸付などを行っています。相談目的としては、不具合の原因究明、品質の確認、開発や改良などが挙げられます。具体的な相談事例は次のとおりです。1.出荷した部品に異物が付着していたが、製造工程で付着したものかどうか調べてほしい。一般に異物の特定には、蛍光X線分析または電子線マイクロアナライザ(EPMA)による元素分析、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)による化合物の同定を行います。検出された元素から異物が特定されることもありますが、異物が有機物の場合などはFT-IRによる化合物としての同定が必要になります。異物の付着などでは、製造工程でどんなものが使われているかを知ることが大切になります。この事例では、異物のスペクトル(上)と対照品(下・ポリウレタン)がほぼ一致していますので、異物は工程中の他のラインで使われるポリウレタンと推定されました。この結果を受けて、各ラインで使用する物質の管理や整理整頓の徹底などの対策が採られました。その後、異物の付着などのトラブルは発生していません。異物ポリウレタンFT-IRスペクトル2.海外の材料が安価なので、購入することにしたが、これまでの国内の材料と比較して、材質に問題がないか調べてほしい。材料の規格は国によって異なるので、日本のJIS規格との対応を確認し、その上で適切な材料を選択することが必要となります。蛍光X線分析・ICP発光分光分析・炭素硫黄定量分析などにより、使用目的に合った材料か、また成分に問題がないかを調べます。さらに強度試験や金属組織試験を行うこともあります。また、材料の破断などトラブルが発生したときは、加工工程や使用の条件まで検討が必要なこともあります。このような場合、センター内の他の担当と連携して、いろいろな視点から検討しています。3.自社の部品にRoHS指令で規制された化学成分が含まれていないことを確認し、分析結果を納入先に提出しなくてはならない。まず、試料の材質やめっき・塗装の有無などを確認し、蛍光X線分析によるスクリーニングを行います。必要に応じてめっきや塗装を剥がして分析を行うこともあります。それぞれの層に水銀・臭素・カドミウム・鉛・クロムが検出されなければOKです。検出された場合は、試料の材質や表面処理方法の再確認を行い、ICP発光分光分析・ジフェニルカルバジド吸光光度法など適切な方法により精密分析を行い、RoHS適合可否の判断を行います。4.蓄光材料の輝度や蓄光時間を向上させるための検討をしているが、その性能を簡易に調べる方法はないだろうか。高輝度蓄光式誘導標識は、消防法の改正により一定の基準を満たせば各種施設で設置が認められることになり、性能の簡易評価について相談がありました。蓄光材料の性能評価は、JISに従って行う必要があります。所定の光源から決められた照度で20分間照射を行い、残光輝度を一定時間毎に測定する方法ですが、時間も費用もかかるため、本格的に評価を行う前段階として、当センターに昨年度導入した分光蛍光光度計を利用して、発光特性の相対評価を行い、性能向上に役立てていただいています。依頼試験や機器の利用については随時お問い合わせください。センター全体の主要な機器の操作法や活用方法についての機器操作講習会もホームページ等でご案内しています。また、化学・環境担当では、年に3回環境セミナーを開催しています。RoHS指令を中心とした化学物質規制の最新動向について、環境関連法規の改正点や留意点について及び環境関連の注目される技術などについて情報提供を行っています。企業の皆様の参加をお待ちしています。お問い合わせ先京都府中小企業技術センター基盤技術課化学・環境担当TEL:075-315-8633 FAX:075-315-9497 E-mail:kiban@mtc.pref.kyoto.lg.jpManagement & Technology for Creative Kyoto 2014.916