ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-9(No.103)

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クリエイティブ京都M&T 2014-9(No.103)

上海代表処だよりVol.22上海代表処だよりvol 22隣国中国との取組み今回は最近の日本と中国、又アジアを含む世界の動きの中で、今後中国とどの様に取組めば良いかをお話します。日本から見る中国と、中国に居て感じる中国の乖離が増々大きくなってきているように感じます。それは相互の繁栄とアジア地域全体の健全な発展にとってはマイナス要因となります。多くの人が現地の実際の情況を知らずに、また知らされずに誤解を深める事だけは避けなければいけません。1日本から見ている中国(チャイナプラスワンが提唱され、進行中)1)「中国は軍事大国、強圧的に尖閣問題を解決しようとしており、それに対応するには軍事的な強化で対抗する策が最善である」というのが、今の日本政府、そしてそれを受けての新聞やテレビの一般的な報道の基調になっています。2)従って中国は投資リスクが高いので、他の東南アジアにシフトした方が将来を考えても得策。3)人件費の高騰、その他投資環境も障害が多く、中国は事業を展開する価値が低下した。以上のように、非常にネガティブな側面だけが流布し、日本全体が動かされているのではないでしょうか。2中国に居て感じる中国1)中国は発展途上にあり、国内開発最優先で政策が進められている。誰も外国と争い、ましてや戦争等は考える余地もない。経済の発展の為にも、日本、米国など世界のあらゆる国とオープンに付合うのが基本施策。現に米国からも多大な投資が行われており、軍事演習も共同で実施しているほど良好な関係がある。2)経済規模では世界第二位になり、今後も成長は続くことは誰しも認めるところであり、よほど資本、人材に余力があれば、プラスワン戦略も検討に値するが、普通に考えると世界で今から投資する先としては中国市場が一番良いと考えられる。3)これまでのように中国を製造現場としての活用という視点で捉えると、中国での生産は不利になってきたと考えられるが、賃金の上昇がもたらす市場の拡大と高品質化は、中国で事業をするうえで、これまでと全く異なる価値をもたらす事になる。4)中国で事業を展開している企業、人にとっては、今の中国の情況は、日本の企業、日本人にとって非常に大きなチャンスが沢山できてきていると捉えられる。3同じ数字、情況でもどう捉えるかにより、全く異なる判断になります例えばGDP7.4%の成長は、元の10%からは減速、失速というニュースになりますが、まだ高い成長率を維持しているとも捉えられ、現地の活気ある環境にいると、後者の捉え方となります。日本の現実はどうでしょう、人口の減少に伴い市場が縮小して行く中、また、消費税率引上げによる影響が予測される中、どの様な将来展望が持てるかよく考えてみる必要がありそうです。以前は大手製造企業の生産現場の中国移転、それに伴い、関連企業が移転するという流れでした。しかし、最近は大きな中国市場を狙って中国進出を目指す企業が増加してきています。流通業、サービス業、製造業を問わず、独自の技術・ノウハウ・製品・商品を持つ企業は、これまで日本を中心に活動していますが、国内市場の縮小に伴い、中国市場の将来性に賭けようという動きが顕著になってきています。最近の事例を挙げると、府内の中堅企業が、これまでは日本を中心にある分野におけるシステムの製造販売でシェアナンバーワンでしたが、これからは世界ナンバーワンを目指すために中国市場を開拓し、今年5月に営業事務所を開設され、広大な市場開拓の第一歩を踏み出されています。リスクとしては、製造の中国展開は日本流で通じますが、市場開拓となると、日本流は通じない点があるということです。現地のニーズに合わせた製品、商品開発、営業戦略、現地社員の活用と会社運営の方策の現地化などの実施が求められます。これらの困難を克服する努力をする事で、日本では見えにくい将来の展望が開けてくると思います。藤原二郎公益財団法人京都産業21上海代表処首席代表お問い合わせ先(公財)京都産業21事業推進部市場開拓グループTEL:075-315-8590 FAX:075-323-5211 E-mail:market@ki21.jp9 Management & Technology for Creative Kyoto 2014.9