ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

京第8回シリーズの技優れた技術・製品の開発に成果をあげ京都産業の発展に貢献している中小企業を紹介取材革新的なシルク「SHIDORI」の開発洗濯機でも洗える耐久性を実現したシルクの良さはそのままに、(株)山嘉精練代表取締役山内伸介氏平成25年度「京都中小企業特別技術賞」を受賞された企業の概要、受賞の対象となった技術・製品について、代表者にお話を伺います。株式会社山嘉精練Company Data代表取締役/山内伸介所在地/亀岡市千代川町千原千原ヶ前1電話/0771-22-5747資本金/1,200万円事業内容/生糸・絹紡・柞蚕糸を中心とした絹糸全般の精練・染色と各種加工450年以上にわたって絹を扱う技術を継承当社一族と絹との関わりは長く、16世紀中期から明治初期まで、京都御所内で天皇家や皇族方の御衣装束を絹で製作する御寮織物司を生業としていたという文献が残っています。約5世紀にわたって磨いてきた絹糸を扱う卓越した技術と心遣いを未来へと継承していく。その使命感のもと、1970(昭和45)年に山嘉精練を創業しました。蚕の繭から糸を紡ぎ出し、絹製品ができあがるまでの過程の中で当社が手がけるのは、精練・染色と呼ばれる先染め工程です。天然の絹は、セリシンとフィブロインという成分の二重構造から成るタンパク質で、本来は艶のない生成り色、ゴワゴワとした硬い手触りをしています。精練とは、紡いだだけの絹糸からセリシンを取り除くこと。精練工程を経て初めて絹糸は、白銀色の光沢を帯び、シルク特有の滑らかな手ざわりと柔らかな張りとコシとが生まれます。その後、シルク糸をさまざまな色に染め上げるのが、染色工程です。近代以降、和装から洋装へと人々の生活習慣が変化する中で、絹産業は衰退の一途をたどっています。このままでは絹製品とともにそれを作り出す稀有な技術まで失われてしまう。そう危機感を抱いた当社は、洋装をはじめ現代の暮らしに適したシルクの用途に応えることで、活路を見出してきました。現在は、和装の帯や着物はもとより、フォーマルウェアやウェディングドレスなどの洋服からネクタイやハンカチ、タオルといった装飾品・生活用品まで、さまざまなシルク製品の素材としてアパレル系メーカーなどからご注文をいただいています。現代の暮らしに適したシルクをめざし精練・染色の技術革新に挑む多様な用途によって、素材であるシルクにもさまざまな特性が求められます。当社は常に新しい技術の開発を試み、お客様であるメーカーのご要望に応えてきました。例えば、5 Management & Technology for Creative Kyoto 2014.7・8