ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

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クリエイティブ京都M&T 2014-7・8(No.102)

技術トレンド情報半導体材料の発光デバイス応用について~窒化物半導体材料の紹介~■応用技術課鴨井督はじめに半導体材料の紹介今日では、携帯電話などの通信機器や家電製品等に、半導体技術が幅広く使用されています。中でもディスプレイや発光ダイオード(LED)などの材料として、半導体材料の研究・開発が活発に行われています。今回は、発光デバイス分野で今後、活躍が期待される窒化物半導体材料について紹介します。波長とバンドギャップエネルギーについて電磁波(光)は日常生活の様々な場面で使用されています。情報通信用には長波長の電磁波が、LEDなどの発光デバイス分野には赤外光や可視光が、また、紫外光は殺菌効果を持つことから、特に医療用に使用されています。様々な波長の光を作り出すためには、材料の特性を引き出すことが重要です。半導体の発光波長λは、材料のバンドギャップエネルギーEgと関連づけることができます。Egとλは一般的に図2はⅢ-Ⅴ族半導体材料である窒化物半導体のバンドギャップエネルギーと格子定数を示したものです。格子定数は、単結晶を構成する原子同士の距離を表します。比較的格子定数が近い材料であれば、それらの材料を組み合わせることで、その中間の特性を示すことが期待されます。例えば、図2で示したように、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)の場合、混晶化によりAlGaN、InGaN等の構造を作り出すことで、幅広い波長域をカバーできます。これにより、殺菌効果を持つ紫外光から赤外光領域における光通信分野まで、光分野への幅広い活用が見込まれます。また、可視光領域においては特定の材料のみですべての色を表現できることから、製造工程の簡略化やコスト削減が期待されます。しかしながら、混晶化により、結晶格子の乱れが起こることから、発光特性などが悪化します。特に、AlGaNとInGaNにおいて、それぞれ、AlNとGaN、GaNとInNの中間領域を作り出すことは困難であり、高純度の結晶成長を目指し、現在、研究開発が行われています。図1光の波長についてEg(eV)=hc/eλの関係式により表すことができます。ここで、hはプランク定数、cは光速度、eは電荷素量で一定であることから、図1のように、発光波長はエネルギーに対して一意的に決定されます。つまり、半導体材料のバンドギャップエネルギーは発光波長を決める上で重要なファクターとなります。情報集積分野で活躍している光ディスクにおいては、CD(780nm)からDVD(650nm)、BD(405nm)と使用する波長の短波長化とともに情報集積度が向上してきました。この技術進歩は、半導体材料の品質向上および新技術の研究開発とともに発展してきました。図2代表的なⅢ-Ⅴ族半導体の格子定数とバンドギャップエネルギーについてお問い合わせ先京都府中小企業技術センター応用技術課電気・電子担当TEL:075-315-8634 FAX:075-315-9497 E-mail:ouyou@mtc.pref.kyoto.lg.jp15 Management & Technology for Creative Kyoto 2014.7・8