ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-6(No.101)

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クリエイティブ京都M&T 2014-6(No.101)

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クリエイティブ京都M&T 2014-6(No.101)

京第7回シリーズの技優れた技術・製品の開発に成果をあげ京都産業の発展に貢献している中小企業を紹介取材多層一体構造ジェル「ジェルトロン」を開発体圧を分散し、ねじれ・ずれを吸収する平成25年度「京都中小企業技術大賞」を受賞された企業の概要、受賞の対象となった技術・製品について、代表者にお話を伺います。株式会社パシフィックウエーブCompany Data代表取締役/田中啓介所在地/京都府舞鶴市京田187-1電話/0773-75-0654資本金/3,000万円事業内容/多層一体型の立体格子状グミ状ジェル(ジェルトロン)を活用した通常ベッド用マットレス、床ずれ予防マットレス、まくら、クッションなどの製造・卸販売「快適な眠り」を提供することを生涯の仕事に「質の高い『眠り』の環境を創造することを通じて、人々の健康に貢献する」ことを一生の仕事と心に定めたのは、私が20歳代、アメリカに留学中のことでした。きっかけは1980(昭和55)年、アメリカで発売されたウォーターベッドを知ったことでした。ウォーターベッドは、浮力によってマットレスが体の起伏にフィットして体の凸部にかかる圧力を分散させます。自然な寝姿勢を保てるのでストレスの少ない状態で休むことができ、しかも血流障害によるしびれや痛みも軽減できます。人の心を安らかにしたり、癒したりする精神世界に関心を持ち、超心理学などを研究していた私は、以前から「眠り」が精神の安定や心身の健康にとって極めて重要な役割を果たすことに注目していました。レム(高速眼球運動)睡眠という浅い睡眠中、脳内はアルファ波(脳波)が占め、安静(リラックス)した状態になります。「快適な睡眠環境を作り、レム睡眠をうまくコントロールすることができれば、精神の安定や心身の健康をもたらすことができる」。ウォーターベッドを知ったことで、それまでの研究とビジネスとが、「睡眠」という切り口でピタリと重なりました。さっそくウォーターベッドメーカーのアメリカンパシフィック社と日本総代理店契約を締結し、当時まだ『睡眠の質』に目を向ける人はほとんどいなかった日本で、ウォーターベッドの輸入・販売を開始しました。当社の独自性は、発売当初から単に「モノ」を売るのではなく、「快適な睡眠」のための「ソリューション」を提供することに徹していることです。ウォーターベッドの輸入と並行して売り場に立つ社員の教育を実施し、睡眠についてお客様に正しく説明し、最適な睡眠環境を提案できる社員を育てるためのマニュアルも整備してきました。宇宙船用の衝突緩衝材から「ジェルトロン」を開発当社にとって最大の転機が訪れたのは、1999(平成11)年のことです。アメリカのEdiZone社によって宇宙船内用の衝撃緩衝材として開発された立体格子状形状ジェルとの出合いでした。グミキャンディのような素材で、四角い立体格子状を持つ、「インテリジェル」という名の製品をひと目見て、その高い機能と可能性を直感。「生涯を賭する価値がある」と、社運をかけたライセンス契約を決意しました。先代まで京都丹後地域一帯に店舗を展開する家具専門店を営んでおり、地域の最大手として安定した経営基盤と売上を築いてきました。「日本のお客様に快適な眠りを提供したい」との一心で、そのすべてを投げ打ち、退路を断って睡眠環境ビジネス一筋に絞ったのです。EdiZone社からアジア地域総製造販売権を取得し、国内でインテリジェルを使用した「床ずれ防止マットレス」などの販売を開始しました。しかし、インテリジェルにはまだ弱点がありました。それは斜め方向から力が加わると格子がつぶれ、通気性をうまく保てないことです。そこで、2001(平成13)に「中小企業創1 Management & Technology for Creative Kyoto 2014.6