ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-5(No.100)

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クリエイティブ京都M&T 2014-5(No.100)

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クリエイティブ京都M&T 2014-5(No.100)

ライフサイエンス・ビジネスセミナー京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクトライフサイエンス・ビジネスセミナー取材2月21日(金)、「京都ビジネス交流フェア2014」において、京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクトの一環として、「ライフサイエンス・ビジネスセミナー」を開催しました。経済産業省医療・福祉機器産業室長覚道崇文氏から医療機器産業に関する国の支援施策の説明の後、医療機器産業界においてグローバルに事業展開されているシスメックス株式会社代表取締役会長兼社長家次恒氏に講演いただきました。覚道崇文氏経済産業省商務情報政策局医療・福祉機器産業室長家次恒氏シスメックス株式会社代表取締役会長兼社長医療機器産業に対する国の支援施策と参入の可能性覚道崇文氏(経済産業省商務情報政策局医療・福祉機器産業室長)大きな成長が見込まれる国内外の医療機器市場医療機器市場は、拡大が見込まれている数少ない市場の一つです。医療機器の中で国内市場の約半分は治療系機器が占めており、しかも今後の成長も大きいと期待されています。にもかかわらず、治療系機器の多くを輸入に頼っているのが現状です。一方、世界の市場は日本の約10倍。その上、アジアや新興国を中心に今後も大きな成長率で伸びていくものと考えられます。グローバルランキングで日本のメーカーはまだトップ15にも入りませんが、言い換えればこれから伸びるポテンシャルがあるということです。国家政策で医療機器開発を後押しする医療機器開発の推進は、いまや国を挙げての重大テーマの一つです。2013(平成25)年6月に閣議決定された「成長戦略(日本再興戦略)」では、「戦略市場創造プラン」の重要なテーマとして「国民の『健康寿命』の延伸」が掲げられ、医療機器開発を加速させる規制や制度改革、革新的な研究開発の推進などが盛り込まれました。同様に「健康・医療戦略」でも、医療機器の開発支援機能の強化などの具体的な施策が提言されています。昨年11月の薬事法の改正では、これまで医薬品と横並びで規定されていた医療機器が独立した章で記述され、厚生労働大臣の承認が必要だった機器の一部が第三者機関による認証制に移行するなど、医療機器に関わる規制緩和が盛り込まれました。さらに現在、内閣官房に総理大臣を議長とする「健康・医療戦略推進本部」という組織ができ、国がリーダーシップを取って医療分野を推進する動きが加速しています。また、医療分野に関する最先端の研究開発を一元的に行う新たな独立行政法人を創設する構想も進行中です。さらに、平成26年度からは、経産省や厚労省、文科省が連携して「オールジャパン」で医療機器開発を支援していく予定です。市場参入と世界最先端の医療機器開発を推進こうした中で経済産業省としても、医療機器開発を重要施策の一つに位置づけ、支援を強化しています。その一つが、医工連携による医療機器開発です。高度な技術を持つ中小企業、ベンチャー企業の新規参入や医療機関との連携を促進し、医療現場のニーズに応える医療機器の開発から実用化までを後押しします。平成22年度から「課題解決型医療機器等開発事業」を実施してきており、これまでに数十件を採択し、医療現場のニーズに応える医療機器開発を後押ししてきました。来年度以降は新たに「医工連携事業化推進事業」として進めていきます。ものづくり中小企業と医療機関の連携に加え、技術的なサポートが可能な大学や研究機関の連携も含めたコンソーシアムに対する開発支援を行います。これまでの医工連携の課題であった、市場ニーズの把握や事業計画の構築の重要性に鑑み、コンソーシアムには、製造販売業者にも参画してもらい、薬事法への対応など市場参入に必要なノウハウを活用できる体制の構築を推奨します。こうした中で、各地の産業支援機関や行政、関係大学が連携して支援していこうとする機運も盛り上がっています。画期的な医療機器の開発といっても、これまでにない製品を生み出すことばかりを目指す必要はありません。既存機器の改良改善を通じて安全性や使いやすさといった付加価値をつければ、十分市場を獲得していけるはずです。もう一方では、より中長期的な視点に立って世界最先端の医療機器を開発するプロジェクトを推進しています。がんの超早期診断や治療機器の総合研究開発や再生医療技術と医療機器技術を融合したデバイスの創製など、世界最先端の研究開発に取り組んでいます。平成27年度に新たな独立行政法人ができるので、それを見据えて新たなテーマ設定も進めています。その他、厚生労働省と連携し、医療機器開発の実用化が進むようなガイドラインの策定にも力を注いでいます。目標は、大きなポテンシャルを秘めた海外市場を獲得していくことで、医工連携、産学連携の他、機器とサービス一体となった海外展開支援も積極的に推進し、地域の中小企業の力も結集しつつ、日本の医療機器産業を活性化していきたいと考えています。1 Management & Technology for Creative Kyoto 2014.5