ブックタイトルクリエイティブ京都M&T 2014-5(No.100)

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クリエイティブ京都M&T 2014-5(No.100)

研究報告絹フィブロイン酵素分解の研究開発応用技術課浅田聡、上野義栄従来の塩酸加水分解法では作成困難な絹ペプチド(フィブロイン由来ペプチド)を、酵素分解法により製造する方法を研究開発しましたので、その内容について紹介します。なお、本製造法は共同研究先(与謝野産品有限責任事業組合)と共同で特許出願し、既に商品化が図られています。はじめに京都府丹後地域は、全国でも有数の絹織物の産地であり、絹を活用した新たな商品開発が進められている。そこで本研究では、絹精錬後のフィブロインを利用した新たな食品の開発を目的として、酵素分解による絹ペプチド(フィブロイン由来ペプチド)の新たな製法の開発を試みた。過測定の結果を図1に示す。また、酵素反応液の凍結乾燥試料は、粉末状で容易に水に溶け、ペプチド特有の苦みが全くないことが確認できた。新たな食品用素材として食品関連業界での利用が期待できるとともに、その他シルク関連業界においても広く応用が期待できる。実験方法40w/v%塩化カルシウム水溶液に精錬済み絹糸を入れて煮沸溶解をさせた後、透析用セルロースチューブに入れ、脱塩処理後、凍結乾燥を行い、酵素反応用フィブロイン試料を作成した。凍結乾燥フィブロイン試料を蒸留水で溶かし、緩衝液及び酵素溶液を加え、24時間、分解反応を行った。酵素分解後の反応液について、アミノ酸分析とゲルろ過による分子量測定を行った。結果及び考察6種類の酵素反応液のアミノ酸分析の結果から、主な遊離アミノ酸の割合を求めた結果を表1に示す。生成した遊離アミノ酸の割合から、中性プロテアーゼであるペプチダーゼR及びプロテアックスがフィブロインの分解に有効であることがわかる。表1アミノ酸分析結果(酵素反応で生成した主な遊離アミノ酸の割合)使用酵素Gly(%) Ala(%) Ser(%) Tyr(%)①ブロメラインF0.1 0.4 0.1 0.2図1反応条件50℃、24時間での酵素反応液のゲルろ過測定結果(A):ペプチダーゼR (B):プロテアックス※詳細は技報No.41に掲載しています。なお、与謝野産品有限責任事業組合は、中小企業技術センターものづくり技術応援事業補助金(前頁参照)を活用され、2種類の商品(図2)を開発されました。②ニューラーゼF3G0.10.10.10.3③ペプチダーゼR16.713.34.16.6④プロテアックス6.05.51.84.9⑤サモアーゼPC10F????⑥プロテアーゼNアマノG0.52.80.50.3(―:不検出)また、各酵素反応液中にはフィブロインの分解により生成したペプチド(分子量1,000~2,200)が含まれていた。特に、ペプチダーゼR及びプロテアックスの反応液中に含まれるペプチドの分子量が最も小さくなっており、この2つの酵素がフィブロインの分解に有効であった。ペプチダーゼR及びプロテアックス反応液のゲルろシルクから生まれた天然アミノ酸食品「Silky Supple ~シルキーサプリ~」図2開発商品シルクペプチド入豆腐「やっこさんは白だな」お問い合わせ先京都府中小企業技術センター応用技術課食品・バイオ担当TEL:075-315-8634 FAX:075-315-9497 E-mail:ouyou@mtc.pref.kyoto.lg.jpManagement & Technology for Creative Kyoto 2014.514